全校休校のときに会った不登校生

コロナで突然全校休校になった2020年の春
学びを止めないように急いで課題のプリントを作り、各家庭に配りました
この頃はまだタブレットがなかったので教師で分担して家庭訪問するしか方法がありませんでした
一斉メール送信システムは使えたので、何日に家庭訪問をして課題プリントを配りますということを事前に各家庭に通知しました

僕の担当した家庭の中に不登校生の家庭が1軒ありました
入学してから一度も登校していないので全クラスの授業を担当している僕も会ったことがありません
また両親は働いていて、昼間家にいるのは本人だけだということも担任から聞いていました
だから会えない可能性を考えてプリントは郵便ポストに入れるか、レジ袋に入れて玄関のドアノブにぶら下げられるように用意して家に向かいました

呼び鈴を押すとすぐに男子が出てきました
初めて会う生徒でした

まず僕の自己紹介をして目的を伝えると
「メールで来るのを知ってたから、待ってました」
『そうなんだ。お待たせしました。出てきてくれてありがとう』

あまり長く話をしすぎると心が疲れるかも
でも短いやり取りで終わるとせっかく玄関まで出てきたのに と思うかも
本人が頑張ったことを認めて受けいれる姿勢を、押しつけにならないように
そのあたりのことをいろいろと考え、その生徒の様子を見ながら課題の説明など数分間話をしました

最後に
『不安に感じていることや困っていることはありますか』
「ないです」
『わかった。じゃぁまた次の課題を届けに僕が来ます。来週になると思います』
「はい、さようなら」
『さようなら』

学校に戻ってこの生徒に会えたことを担任に報告するととても喜んでいました
全校休校で生徒全員が学校に行ってはいけないという状況がこの生徒の心理的な圧迫を解放したのかもしれませんね
そんな話をしました

でもすべての不登校生が同じように家庭訪問をした教師と会えたのかというとそうではありません
会えなかったので課題とともに説明のプリントを入れた袋を置いて帰ることもありました

不登校のケースは本当に様々です