技術・家庭科の最初の授業で話すこと
入学した1年生の最初の授業で、技術・家庭科はどんな教科なのかについて、僕はこのような話をします。
家庭科は
家庭科は、衣食住に関する内容を勉強します。
暑いときや寒いときに着る服のチョイスを間違えると、体調を崩してしまうことがあります。
栄養のバランスを考えて食べるものを選ばないと、病気になることがあります。
住むところについても、掃除などができていないと、健康面に影響することがあります。
このように家庭科は、「健康に生きる」ことに関して学ぶ教科です。
技術科は
技術科は、情報、材料と加工、エネルギー変換、生物育成に関する内容を勉強します。
情報では、パソコンやインターネットについて勉強し、実際にパソコンを使ってみます。
材料と加工では、木材を中心に勉強し、〇〇を作ります。
エネルギーでは電気を中心に勉強し、◇◇を作ります。
生物育成では栽培を中心に勉強し、△△を育てます。
パソコンや〇〇や◇◇がなくても、健康に生きていくことに影響しにくいですよね。
でも、あると便利です。
定年退職した後、家でゴロゴロするのではなく、花や野菜を夫婦で一緒に育てる趣味を持つと
家庭内でのトラブルは少なくすむことが多いようです。
このように技術科は、「生活を豊かにする」ことに関して学ぶ教科です。
技術・家庭科は
本来、技術科と家庭科は別の教科です。
だから教科書を見てもらうと、技術と家庭の間に ・(点)があるでしょう?
その・(点)は、別々の教科であることの印なんですね。
さて家庭科の服を作る、料理を作る、住まいの環境を快適にする。
技術科のパソコンを使う、物を作る、エネルギーを活用する、作物を育てる。
これらは、お金を稼ぐ手段としての「仕事」に結びつきやすいですよね?
お金を稼がないと、健康に生きていくことが難しくなります。
その点でも、技術・家庭科は重要な教科です。
時々、高校の入試科目にないからという理由で、この教科を軽く見る人がいますが
僕は、3年ほど先のような小さなことを考えて授業をしていません。
もっともっと先のみんなの長い人生のことを考えて授業をしています。
人生100年時代
今後、人生100年時代がやってくると言われています。
みんなの定年退職の年齢が70歳になっているとして、その後の30年をどうやって暮らしていくか。
国からもらえる年金だけでは、本当に暮らしていけるのか不安が大きいです。
そのために、稼いだお金をどのように活用するかを考えなければなりません。
だから、家庭科では消費生活についても学びます。
また、日本の人口は減少しています。
コロナが流行する前から減少しているので、コロナだけが原因ではありません。
日本という国のために結婚して子どもを産み、育てるというのは、ちょっと違う気がしますが、
僕は自分の子どもを育ててみて、こんなに面白いことはないと思いました。
子育てについてちゃんと知っておかないと、自分が大人になったときにどうするのかを、判断することが難しくなるかもしれません。
だから、家庭科では子育てについても学びます。
男女共修
昔、技術・家庭科の授業は男女別でした。
男子は将来仕事をしてお金を稼ぐのだから技術科を、女子は家庭を守り子育てするのだから家庭科を学ぶ。
当時はそういった考え方が多かったので、そのようになっていました。
しかし、今は女性も仕事をし、男性も家事や子育てをする権利があるという考え方に変わってきました。
だから、今では女子も男子も一緒に技術科も家庭科も学びます。
ただ、学校の授業で教えられることは限られています。
炊飯器にお米だけを入れてスイッチONしたのに、なぜご飯が炊けないのかわからない人の話や、
うどんのゆで方を書いた本に「びっくり水」が載ってたけど、家にないからお店に買いに行った人の話を聞いたことがあります。
また、紙おむつに吸収された自分の赤ちゃんのオシッコが青くないことで悩む母親もいるそうです。
これらの話のどこがおかしいのか、わからない人は、ぜひ、家でお手伝いをして学んでください。
みんなの中に家の手伝いをさせられて、不満を持っている人はいませんか?
それは逆だと思いますよ。お手伝いをさせてもらって、感謝してもいいと思います。
技術・家庭科の学習は、一生続きます。そのための基本になることの一部を授業で教えると思ってください。