文化祭を振り返って

油断大敵

 ◇◇中に入学して、初めての文化祭が終わりました。1回目のリハーサルでは音楽の授業時間が少なかったにもかかわらず、6組の前評判はそんなに悪くありませんでした。音程もまずまず取れていたと思うし、声の大きさもそこそこ出ていたと思うのです。ハーモニーもとてもきれいだったと僕も思っていました。6組の中にも「自分たちが一番うまい」 そう感じた人がいたようです。
 でも、それが逆にいけなかったのかもしれません。もっと上を目指そうという気持ちが薄くなってしまいました。これを「油断」といいます。なんとなくそうなってしまうような感じがしたので、『これから他のクラスも伸びてくるよ』と言ってみたり、『賞をとって1年生の中で一番になるだけじゃなく、2年生のどのクラスよりもすごいと言ってもらえる合唱を目指したい』という話をしたりしました。でも、なかなか払拭できなかったみたいで、「油断」は本当に「大敵」だなと思いました。

緊張

 感想文を読んでみると、「緊張した」という言葉もよく出てきました。やはり学年だけでやるリハーサルとちがって文化祭当日の発表は観客の数も多いし、スポットライトは浴びるし、そんなこんなでどうしても緊張してしまうことにつながるんだと思います。そして、思うように声が出せなかったり、歌い方で気をつけなくてはいけないところをていねいに歌えなかったりしたことにつながったのかもしれません。
 何度も機会があれば慣れて、緊張しなくなると思いますが、文化祭は年に一度だけですからそれは無理な話です。また、練習の時間が充分あって、練習の内容も自信が持てるものであれば緊張しなかったのかもしれませんが、それにも限界があります。一流のスポーツ選手や芸術家といった人たちの中には、緊張を楽しむというような人もいますが、素人にはむずかしい話です。さらに少し緊張している方が、人間は普段以上の力を出せるという話を聞いたこともあります。だとすると緊張することは悪いことではないということになります。
 あれこれ考えても簡単に答えが出てきそうもありません。「なるようになれ」と開き直ることができたらいいのかもしれませんが、どうすればそんな心境になれるのか? 言うのは簡単でも実行するのはやっぱりむずかしいと思います。

学んで生かそう

 文化祭は終わったから、ハイ終わり。じゃなくて、みんなには、文化祭をしっかり振り返ってほしいと思います。そこから何かを見つけ、学び、これからに生かして欲しいと思うからです。
 「一生懸命練習したし、当日も精一杯力を出し切れたから悔いはない」という人もいます。「もっと練習をすればよかった」とか「音楽の時間を有効に活用していたら…」と反省している人もいます。良かったところからも、そうでなかったところからも、何かを学ぶことができるはずです。
 また「練習を積み重ねていく過程で、話がしやすくなった」など新たな人間関係が生まれたと書いている人もいます。「何度も練習しているうちに歌うことが楽しくなってきた」と素直な感想を書いている人もいます。そういった経験からも何かを学べると思うのです。
 そして、学んだことをぜひこれからに生かすことを考えましょう。先ほどの「油断」や「緊張」だって、2年半後の受験に向けて生かすことができたら、どれほど大きなプラスになるかわかりません。

伝統を受け継ぐ

 卒業式で在校生から卒業生におくることばの中で、「先輩方の残したよい伝統を受け継いで…」といったことばが出てくることがあります。では、この『よい伝統』とはどんなものでしょうか。ぼくは、もっとよいものを作ろうと努力していくことだと考えます。2年生や3年生の発表を見て、「すごい」と感じた人はたくさんいました。僕も◇◇中での文化祭は初めてでしたから、「すごい」と感じたところもあったし、「へぇ~」と感心するところもありました。
 ぜひ、みんなは来年、または再来年、今年の2年生や3年生の発表よりも、もっと良いものを作りたいと考えてください。そうすることがよい伝統を受け継ぐということになるんです。僕も頑張りたいと思っています。