4組は何を目指す?
制作担当者たちの高い目標
オポチュニティとスピリットって知っていますか? どちらも現在(2008年当時)火星で活動しているマーズ・エクスプロレーション・ローバーという2台の探査機につけられた名前です。
この両機は火星の地表を移動するための車輪や岩石に穴をあけるドリル、何種類かのカメラなどを持ち、太陽電池パネルで発電しながら火星についての様々な調査を行っています。今でも時々ニュースで活動の様子などが流れているのですが、実は、これはすごいことなんです。
両機が打ち上げられたのは2003年、火星に到着したのは翌2004年です。最初の予定では、90日間活動できるように計画されていました。打ち上げロケットの能力の関係で、どうしても搭載できる重量や大きさに制限があり、もっと長期間使えるように頑丈に作ることはむずかしい面があるからです。
さらに、火星の気圧は地球の160分の1、平均気温は-55℃、というような過酷な世界です。しかも、火星には時速19000㎞もの高速で突入しますから、大気との摩擦で1400℃もの高温にさらされます。パラシュートやロケット噴射で減速しますが、着陸するというよりも地表に激突する感じになります。24個のエアバッグで本体を守りますが、そのショックは小さいものではないと思います。活動期間90日という設定も納得できると思います。しかし、先ほども書いたように、オポチュニティもスピリットも現在まで活動を続けています。
この計画の制作を依頼された技術者たちは、90日間持てばいいというような低いレベルの目標ではなく、重量と大きさ、そして予算など許された範囲の中で最高レベルの目標を追求したのではないかと、僕は思っています。どんなに小さなことでもおろそかにしないで全力を尽くし、作り上げていったのだと思うのです。そして、その目標のレベルの高さが、予想を大きく上回る長期間の調査が実現したことにつながったのだと思います。
運用担当者たちのチームワーク
さらにすごいなぁと思うのは、運用担当者たちです。予定を超えて使っているうちに故障する所が出てくるのは仕方がないです。スピリットは右前輪が故障しました。普通ならそこであきらめてしまうと思うのですが、運用担当者はその故障した前輪を利用することを考えました。つまり、そのまま強引に地表を走行すれば動かない前輪で表面の砂をひっかくようにして掘ることができます。そうしておいて、掘った部分を顕微鏡カメラなどで調査すれば、新たな発見があるのではないかと考えたのです。実際に過去に火星には水が存在したという証拠をとらえることができました。
オポチュニティは柔らかい砂にすべての車輪が埋まってしまい、身動きが取れなくなってしまいました。担当者たちは砂の質や傾斜角度など、その現場の状況を忠実に再現し、5週間かけて何度も実験を繰り返して脱出方法を調べて、見事脱出に成功しました。
火星は季節によって猛烈な砂嵐が発生しますが、予想をはるかに超える大規模な砂嵐のために太陽電池パネルが砂でおおわれてしまい、発電量がかなり下がる事態もありましたが、これも切り抜けました。運用担当者たちのチームワークが新しい発想を生み出したり、問題解決につながったりしたのです。
4組は何を目指す?
体育館での文化祭練習割り当てが昨日ありました。結果はひどいものだったと思います。先日、やる気を感じられなかった所があったので「良いものを目指してがんばるのか、てきとうにするのか、どっちだ?」と聞いても誰も何も言わない状況でしたから、当然の結果だと言えそうです。僕としてはNASAのスタッフのような高い目標とチームワークをもって文化祭の取り組んでほしいとずっと思っていました。
現実は、クラス全体の中で「頑張ります」という意思表示する人は誰もいなくて、コミュニケーションをとりながらチームワークを発揮するわけでもなく、けれども放課後には自主的に残って作業をする人たちが何人もいる。昨日も、声優を担当する人たちが木工用ボンドのにおいに負けそうになりながら作業を進めたりしていましたし、黒板には「みんな残って」というメッセージを書いた人がいました。
みんなは何を目指しているのか、担任としてわけがわからなくなっています。一生懸命やるならやるで、早く始めないと時間が足りなくなってしまいますよ。