「みんなで楽しむ」姿勢
往復伝言ゲームで
宿泊学習1日目の午後にあったクラス対抗レク大会。その中に「往復伝言ゲーム」がありました。普通の伝言ゲームとちがって「伝言」が何度も行ったり来たりするからやっている人も見ている人も楽しめたと思います。でも、以前もっと盛り上がったときがありまして、今日はその話から始めたいと思います。
それはクラスごとにペンションに分宿する3年生の修学旅行でした。夜のプログラムでキャンプファイヤーをやることになってて、その係になった人たちが修学旅行の何日か前に僕の所に何か盛り上がる面白いゲームはないかと聞きに来ました。そこで僕は「往復伝言ゲーム」を教えてあげたんです。係の人は喜んで帰りました。
さて、当日になってその時間が来るとペンションの庭に全員が出てきたんですが、係の人が事前に男女交互に並ぶようにクラスに言っていたみたいで、それを守ってきちんと並んでキャンプファイヤーはスタートしました。やがて、クラスを2グループに分けて「往復伝言ゲーム」の時間になりました。1回目は「クマが出た!」「えっ!」のパターンで、早く半周したほうが勝ちです。最後のところに係の人が2人いて勝敗を判定していました。
1回目の勝負が決まって、係の人はこう言いました。「今度は私たちを先頭にして、さっきとは逆方向で第2回戦をやります。伝言する言葉は、さっきと変えます。私たちが言った言葉をそのまま伝えてください。それでは始めます。」 その場にいた全員が、どんな言葉にするか集中して聞いています。すると係の人はこう言ったんです。
「愛してます!」
もちろんみんな一斉に「えっ!」ですよね。まわりを森に囲まれた大自然の庭に「愛してます」が飛び交って、それはもう今までに見たことがないぐらい盛り上がっていました。係の人はこの言葉をより効果的にするために、わざわざ男女交互に並ばせたんです。そのアイデア、そしてスムーズに進行した企画力に脱帽です。
「みんなで楽しむ」姿勢
でも、盛り上がったのは係の人たちの努力だけが原因ではありません。一緒に参加した人たちみんなの協力があったればこそ、なんです。思春期といわれる年頃の男女が、いくらゲームだからって「愛してます」なんて‥言いにくいと思います。もしかしたら、「こんなん言えるわけないやろ」とか言い出す人がでて、真面目に参加しなかったら‥。そうするとその場の雰囲気はあっけなく崩れてしまい、盛り上がらなかったと思うのです。
その場がすごく盛り上がったのは、その場にいた人たち全員が、みんなと一緒に楽しもうとする姿勢を持っていたからです。そして、その状態にある時、そのクラスは『団結している』と表現できるのです。
宿泊学習での1組
宿泊学習の話に戻します。1日目、午前中に文化公園の広場でクラスごとに遊びましたが、その時に「こんなんで面白いか?」とみんなに言ったことがありましたね? 4組と「王様陣取り」の1回戦であっけなく負けてしまった後のことです。
僕は1組が勝てなかったから「こんなんで面白いか?」と言ったのではありません。一生懸命に頑張ったけど負けてしまったというのなら、こんなセリフ言いませんよ。でも、そうじゃなかったでしょう? 目の前に4組の人がいるのに、タッチしてじゃんけんをしようとしない。走ることもせず、その場で好き勝手におしゃべりをしている。コートの隅っこでじっとしている。そういったあきらかに「みんなで楽しもう」という姿勢を欠いた人が何人もいましたね? そんな真面目に参加していない人たちが、その場の雰囲気を壊していたんです。だから、僕は「こんなんで面白いか?」と言ったのです。
もしかしたらルールがわからなかった人がいるかもしれません。また、ルールはわかっていても楽しむコツがつかめていなかった人もいるかもしれません。しかし、何をして遊ぶか、そしてそのルールの説明は出発前日までにしていました。いくらでも聞く機会はあったはずです。「みんなで楽しもう」という姿勢の有無が、大きな結果の差として現れたのではないでしょうか。