学年通信 いよいよ職場体験です

事前訪問で

 いよいよ、職場体験があります。事前訪問に行ってお世話になる方の話を聞いた時のことを思い出して、気持ちがギュッと引き締まった人たちもいるようです。
 ふと、何年も前にあった事前訪問での出来事を思い出しました。ほとんどの人が何も問題なく事前訪問を終えることが出来たのですが、ただひとつ、遠くまで行くことになった男子2人の帰りが、ずいぶん遅くなってしまったんです。
 その行き先は◇◇野外活動センター。◇◇駅からバスで30分ぐらい、さらにバス停から歩いて30分ほどの山の中。夕方になると道が渋滞するので、バスに乗っている時間は伸びて帰りはさらに遅くなります。少し早く学校を出発してもらったのですが、それでも帰りは遅くなってしまい、家に帰ったのは7時近くになってしまいました。外はもう完全に真っ暗でした。

責任を持って仕事をする

 この男子2人のうちのひとりは、僕のクラスでした。その日、生徒から「家に着きました」という電話がかかってくるのをずっと待っていました。もうひとりの生徒の担任の先生も同じように職員室で待っていました。別に相談をしたわけではありません。校長先生に残れと命じられたわけでもありません。ただ当たり前のこととして、職員室にいました。
 それは、担任には生徒の学校での活動について責任があったからです。何もトラブルがなかったらそれでいい。でも、もしも何かあった時のために、すぐに対応できるように学校で待機する。責任を持って仕事をするということは、こういうことだと思っています。
 あまりにも遅いので、6時を少し過ぎたころ、キャンプ場に電話をしてみましたが、もう誰もいなかったのか、電話は通じませんでした。そうなると、ただ、待つしかありません。本人たちから学校に電話があったとき、正直ほっとしました。
 こんな話をすると、仕事をするって、すごくしんどいことだと感じてしまう人もいると思います。実際に、しんどいこともあります。先生の場合はニュースなどで触れられていて隠しようがないので、しんどい部分があることは認めます。

職場体験で 学んでほしいこと

たった2日間の職場体験でもしんどい思いをする人はいると思います。

大きな声でお客様にごあいさつをし、あとは床掃除をするだけでずっと立ちっぱなし。
昼休みに45分間、午前と午後にそれぞれ休み時間が1回ずつ、それも10分間しかなくて、あとはずっと流れてくる仕事をしている。
なかなかお客さんが来なくてヒマなんだけれども、いつお客さんが来るかわからないから、常にきちんとしていなくちゃいけない。
嫌な客が来ても笑顔で接していなくちゃいけない。
□3000枚のチラシにお店の名前のハンコを押し続けて腕の感覚がなくなった。

それぞれの仕事にそれぞれのしんどさがあると思います。しんどさのない仕事なんてこの世に存在しないかもしれません。でもね

◎ 自分が最後まで仕事をして責任を果たすことができたときの高揚感。
◎ 自分が仕事をすることで誰かに感謝される喜び。
◎ 納得できる製品を完成させたときの達成感や充実感。
◎ 一緒に仕事をやり遂げたときの仲間との連帯感。
◎ 取引先との長いやり取りの間に作りあげられる信頼感。
◎ こだわって仕事を進めていく誇り。

 他にもいっぱいあります。もちろん、給料日にもらえるお金のありがたさも大切です。家族と笑顔で暮らしていくためには、お金が必要ですから。こういったしんどさを上回る、言葉では表現できないような『何か』が、それぞれの仕事にはあるのです。職場体験では、こういったこともぜひ体験して欲しいし、学んで欲しいと思います。