体験発表を終えて

私のしごと館の体験発表を終えて

 私のしごと館での体験を終えて、約1カ月がたちました。この間にしごと館での体験内容を各自でまとめ、先週、発表しました。まず班ごとに発表して班の代表を決めたのが水曜日。続いて班の代表の発表をみんなで聞いたのが金曜日でした。
 感想文を読んでいると、「絵がうまく活用されていて、とても見やすかった。その時の光景が浮かんできた」「大きな声でわかりやすく説明していた。話の内容もうまくまとめていた」といった感想がいっぱいありました。僕も同じようなことを感じました。
 実際に私のしごと館に行って体験したこと、他の人の発表を聞いて間接的に体験したことなどからいろんなことを学ぶことができます。そんな中に『仕事には楽しい面もあるけれど、つらいことやしんどいこともある』というようなことが含まれていると思います。その点について、少し話をしたいと思います。

俳優さんと食事

 先日、ひょんなことから北海道を中心に子どもたち向けの演劇をやっている劇団の方と一緒に食事をすることになりました。劇団の方は60代から20代までの男性2人と女性1人の3人で、2カ月ほどかけて日本のあちこちを、舞台装置などを積んだトラックで回りながら公演をしていくツアーの最中でした。大阪でも公演をする関係で2日間滞在したときに、1泊目の夕食をご一緒させていただきました。
 北海道の劇団なんですから、北から南へと順番にまわって、また南から北へと公演していくことができれば移動の交通費も安く抑えられるし、何よりも身体が楽なので言うことがないんですが、使用する会場の都合や主催者の予定などの関係でそううまくはいきません。聞くと大阪に来る前は広島にいて、大阪のあとはまた広島に行くということでした。
 宿泊はなるべく安いホテルなどを見つけて泊まるので、当然、食事も同じようなメニューになってしまいます。僕たちと一緒に食事をしたときは寒くなってきたし、鍋物でいいだろうということでちゃんこ風のものを用意したんですが、久しぶりにこういう食事ができたということと、北海道で普段食べている鍋物とはちがった具が入っていたということで、喜んでいっぱい食べてくださいました。
 原則としてツアー中は、家族と会えません。たった3人なので体調管理も完璧にしておかなくてはなりません。つらいことやしんどいことはいっぱいあります。でも、2時間ほど一緒にいたんですが、その間ずっと3人ともニコニコと笑顔を絶やしませんでした。

つらいことは本当につらいか

 仕事にはつらいことやしんどいことはある。それはそうなんですが、じゃあ、なんでその劇団の3人はこの仕事を続けるんだろうか。なぜ、笑顔でいられるのだろうかというと、3人とも俳優という仕事が大好きだから。その一言なんですね。
 周りの人から見たら苦労しているとしか見えなくても、その仕事が大好きであれば苦労を苦労とは思わなくなってくるんです。
 たとえば運動系の部活に所属している人が6組にもたくさんいますが、たいていの部活ではランニングや基礎トレーニングなどの練習を毎日繰り返しています。運動が苦手だとか、嫌いだという人にとっては「何でそんなにしんどいことをまじめにやるんだ?」って感じるのですが、その競技が大好きで、もっとうまくなりたい、強くなりたい、速くなりたい、そういった目標をしっかりつかんだ人にとっては、そんなに苦労とは感じられないと思います。
 文化系の部活でも、基礎練習を繰り返したり、アイデアをひねり出したりと、やはり苦労はあるものです。でも、その部活が大好きだったらがんばれるんですね。
 苦労を苦労とは感じない仕事に出会えたら、そして一生その仕事に関わることができたら、それはすごく幸福なことだと思います。自分に合った仕事とは、そういうものです。
 ただし、みんなはまだ中学1年生。どんな能力を持っているのか、これからどんな能力が伸びていくのか、わかりません。だから、将来に備えていろんな経験を積んでください。いろんなことを学んでください。そのために、何かやる時は一生懸命全力で取り組むようにしてください。
 そのことがわかったら、私のしごと館での体験についての取り組みは大成功です。