井の中の蛙になるな

中学校で学ぶ内容は無駄?

 『数学の授業で習う方程式や関数なんて、社会に出てから何の役にも立たない。』以前そう言った人がいました。さらに『買い物をする時にいくら払うかの計算なんて方程式なんてレベルじゃないし、関数の式を見てグラフに線を書けなくても困ることはない。』と言うのです。しかも、その人は『他の教科も同じようなもので、中学校で学ぶ内容なんて、どうせ普通のビジネスマンになる自分にとって無駄ばっかりだ』とも言っていました。みんなはどう思いますか?

こんな場合

 ある企業では、原料Xと原料Yを使って製品Aと製品Bを作って販売しています。製品AはXが4に対しYを5混ぜて作り、一つ売れると1000円もうかります。一方製品BはXが8に対しYを3混ぜて作り、一つ売れると2500円もうかります。
 ある日、上司に呼ばれてこう言われました。「会社の経営は順調だが、環境問題に対応した新しい製品を開発し、販売することになった。しかし、まだ残っている原料XとYをそのまま廃棄するにはお金もかかるので、残った原料をできるだけすべて使って製品を作り、それがなくなってから新製品を販売する。原料の残りを調べ、製品AとBをそれぞれいくつ作ればいいか計算してくれ。」
 どうです? ありそうな話でしょう? この上司からの指示に応えることができなければどうなるか、わかりますよね? この場合、直線のグラフを2本書いて交点を求める方法が基本になります。数学で勉強する関数そのものです。さらに、製品AとBの販売予測を加味して調整することになるでしょう。決してビジネスマンをなめてはいけません。

井の中の蛙になるな

 始めに出てきた人は、なぜ中学校の勉強は無駄だと言ったのでしょうか。
 ひとつは勉強を頑張りたくないとか、勉強に自信がないことをごまかしたりするための言い訳にしていたんだと思います。または、自分は世の中のことをすべて知っていると勘違いしていた可能性もあります。自分が知っている範囲では、ビジネスマンは取引先の人と商談をするとか、パソコンで売り上げの計算をするぐらいで、関数なんて使うことがないと思い込んでいたのだと思うのです。こういう人のことを、昔の人は『井の中の蛙』と呼んでいました。
 世の中にはいろんなことが満ち溢れています。みんなの場合、進学するだけでも驚くようなことが次々に出てくると思います。例えば出席番号をアイウエオ順ではなくアルファベット順に決めている高校があります。2組の場合どうなるかを試しに作って裏に印刷してみました。結構面白いでしょう?(ブログでは名前の順番の一覧は載せていません) 授業、部活、通学の途中、その他いろんな場面で、知らなかったことにたくさん出会うと思います。それらをどんどん吸収してより大きな人間になってほしいと思います。
 世の中には自分には知らないことがいっぱいある。ということをきちんと理解しているか、自分にはもう新たに知ることはそんなにないと思い込むかで、人間としての価値に大きな差ができるような気がします。もうすぐ中学校を卒業して新しい生活を始めるみんなには、井の中の蛙にはならないでほしいです。

よく考えよう

 進路の選択についても、わからないことや知らないことがたくさんあります。というより、どれが正解なのか自信を持って答えられることが少ないという方がより近いかもしれません。希望する学校をそのまま受けるのか、他の学校に変更するのか。学科やコースはどうするのか。公立と私立の併願にするのか、それとも私立の専願に切り替えるのか。親の希望と自分の希望が合わないときはどうするのか。受験のための勉強方法はこのままでいいのか。不合格だったときはどうするのか。そもそも合格できるのか?
 決めるべきことも不安もいっぱいある。早くこんな状態から脱出したい。もっと情報がほしい。だから、偏差値という数字に頼ったりする人もいるし、噂やネットの情報などに振り回される人もいたりします。自分の考えだけにとらわれて井の中の蛙になってもダメだし、周囲に振り回されるだけでもダメ。いったいどうすればいいのか、難しいですよね。
 大変だということはわかります。でも、逃げないでください。自分の進路なんですから、しっかりと考えてください。それが答えです。周囲も自分も大切にしながらよく考えることは、必要で大切なプロセスだと思うのです。