総合的な学習・国調べを終えて
『発表』はむずかしい
総合的な学習の時間というのは、十何年か前に誕生した、教科の枠を超えていろんな内容を総合的に学習しようという授業です。
2年生の宿泊学習であじのひらきに挑戦しましたが、そのことを調理実習の延長ととらえれば家庭科の内容だし、地域の特色を知るととらえれば社会の内容です。魚のからだのつくりも関係してくるから、理科の内容と考えてもいいでしょう。こんな感じでいろんな教科との関連を持ちながら、教科の授業では学べないようなことをまとめて学ぼうという授業が総合的な学習の時間です。
その総合学習で「国調べ」に取り組むということで、2組では班ごとに3つの国を選んで調べてもらいました。発表の方法(画用紙、模造紙、印刷等)については、それぞれの班に任せました。『発表すること』について少しこだわりたかったからです。
僕は、調べることよりも発表することの方がむずかしいと思っています。なぜなら、個人で発表するのではなく班でまとめて発表するためには、どんな発表にするかを相談しなければなりません。発表内容や方法を考えるということは、調べる内容や仕事の分担をどうするかなども考えるということです。いろんなことが複雑に絡み合ってくるから、むずかしくなるのです。人前で発表することが苦手と言う人もいるのに、どんな発表にするのかを班で考えるのは大変です。
このように、どうまとめるかを考えるのはすごく複雑な頭脳活動です。誰かに指示してもらうなんて受身の姿勢ではなく、自ら進んで取り組んでいこうという積極さが必要です。でも、それこそが総合学習の目的なんです。だから、3年生としてしっかりした発表ができるかな?と考えたわけです。結果、どの班も印刷することを選択しました。
国調べの発表を終えて
各班の発表内容を見て気づいたことをまとめると、まず、担当した国について分担してまとめたのはいいけれど、プリントの内容や形式が統一されていない班がありました。どんな発表にするのか、本当に話し合ったのでしょうか?
また、初めに、自分たちがどの国を調べたのかを書いていなかった班もありました。これでは目次がない本みたいです。『私たちは○○○、□□□、△△△について調べました。世界地図の中での位置関係はこうなります。』などと書いておけば、発表を読む人に親切だし、わかりやすくなったのではないでしょうか。
調べた内容について自分の考えを加えたりしないで、そのまま書き写しているだけというのも大きな問題だと思います。そんなプリントを作った班はそれまで何をしてきたんだ?と感じてしまいます。調べたことをただ書いただけのものは、発表ではなく『伝言』とか『コピー』だと言われてもしかたがないです。例えば調べた国を比較して共通点や相違点などをまとめるとか、調べてみてどんな発見をし、どんなことを感じたのかも含めて伝える。それが『発表』です。
最後に、読む人の事をどのくらい考えていたでしょうか。それがなければ、読んだ人はわかりにくくなって全然面白くないです。形だけになってもとにかく発表したらいい。ではなくて、読む人にわかりやすいものにしたい。自分たちが知ったことや考えたことをきちんと伝えたい。そんなこだわりとおもてなしの気持をこめて発表して欲しかったです。
「工夫する時間がない」は理由になりません。今回の取り組みのための時間は十分用意しました。その気になれば、もっと工夫できたはずです。
よい見本
みんなが作業を進めている様子を見ていて、ふと、みんなはきちんとした『発表』を見ていないんじゃないかって思えてきました。よい見本を見ていないのに「ちゃんとやれ」と言っても、むずかしいかもしれない。そこで、担任自ら見本を作ってみようと考えました。ただ、見本を早めに見せることができなかったことについては、ごめんなさい。
仕事の合間を見つけて調べたり、家に帰ってまとめたりしているうちにいろんなことがわかってきました。疑問に思ったところは、さらに調べてみました。すると、わかったことがもっと増えました。そうやって新しいことを知ることが、とにかく楽しかったです。人に言われて渋々するのではなく、自ら進んでやることで味わえる楽しさ。これが本来の勉強の楽しさです。僕の発表から、そんなことも伝わったらなと思っています。