卒業するみんなに贈ることば 学級通信バージョン

やさしさの使い方

 ずいぶんと昔のことです。僕の体重がまだ60kgぐらいだった頃ですから、かなり前の話です。ボランティア活動や音楽、ダンスなどの活動をしている愛知県△△市、滋賀県〇〇市、そして大阪府◇◇市の青年たちが集まって1泊2日で行われた交流会があって、それに参加した時のことです。
 夜に「やさしさと思いやりのちがい」というテーマで討論をすることがありまして、いろいろ話し合っているうちに、ある人がこういうことを言いました。『どんな人でもやさしさは持っている。でも、そのやさしさをきちんと使える人って少ないと思う。相手を甘やかすだけではやさしさじゃない。相手のことを真剣に考えて、相手のために必要だと判断したら嫌われるとわかっていても、あえて厳しく接するのもやさしさだと思う』
 その場にいた20人ほどのメンバーはみな、納得をしてしまいました。そして、『今から考えると、自分が精神的に苦しんでいる時にそっと何気なく寄り添って、自分を救ってくれた人がいるんだけど、その人はきっとやさしさの使い方を知っているんだと思う。』とか『そういう人って、あこがれるよなぁ』『自分が持っているやさしさを完璧に使いこなせる人になりたいね』『人にやさしくすることだけを考えるんじゃなくて、人のやさしさをきちんと受け止めることも考えないといけないと思う。以前、人にやさしく接したつもりが誤解されて、すごくつらかったことがある。』などとその場はものすごく盛り上がって、明け方近くまで話は続きました。
 人間は誰かに支えられたり、逆に誰かを支えたりしながら生きています。人とのつながりってそういうものです。みんなはまだまだ成長の途中です。だから、人間関係に関して悩んだりすることもよくあると思います。こればっかりは経験を積まないとどうしようもない部分があるので、これから始まる新しい生活では、ぜひ経験を積むために積極的に人間関係をつくる努力をしてください。そうすれば、やさしさを使いこなせる人間に一歩近づくことになると思います。これが贈ることばのひとつめです。

学ぶこと、考えること

 みんなは、今までにいろんなことをいっぱい学んできました。授業で学んだこと。行事で学んだこと。部活で学んだこと。毎日の生活の中で学んだこと。その他いろいろあったでしょう。
 それらを無駄にするかどうかは、これからどう生きるかによって変わってきます。できるだけすべてを無駄にしないという生き方もあるでしょう。逆に今まで学んだことをたくさん捨てて、その代わり新しく学んだことを大切にする生き方もあると思います。みんなはこれからどのように生きるのか、ずっと考え続けて欲しいです。何を学び、何を大切にして、何を捨てるのか。そこに生き方の違いとか個性があらわれると思います。もちろん、自分の生き方を大切にしながら、他の人の生き方を尊重する姿勢も忘れないで下さい。
 また、みんなが知らないことは、今までに学んできたことよりもはるかにたくさんあります。だから、学び続ける姿勢を持ち続けることも大切にしてください。
 宮沢賢治は次のようなことばを残しています。
 『人は、自分が何をするために生まれてきたのかを考えるために生まれてくる』
 みんなも自分は何をするためにうまれてきたのか、ずっと考え続けて欲しいです。これが贈ることばのふたつめです。

ありがとう おめでとう

 この1年間、ほんとにいろんなことがありました。長い教師生活の中で初めて経験したこともありました。
 提出物がなかなか出なくて困ることがあった2組。何かを決めるために多数決をとると、ギリギリの差で決まることが多かった2組。最後まで賞状をもらえなかった2組。3学期は席替えをしなかったんだけれど、そのことで苦情の出ない2組。他のクラスにはないとっても不思議な雰囲気を持つ2組。そんな2組のみんなと出逢えてよかったと思います。学年の中で自分の担任するクラスが一番好きって感覚を持てるといいなぁといつも思うのですが、このクラスもそうでした。学年の中で、僕はこのクラスが一番好きです。
 『人は人とふれあう中で成長する。』 これは、人間が持つ本質のひとつですが、この1年間、みんなとふれあう中で、僕も成長することができたと実感しています。そういう意味では感謝しています。ありがとう。これが最後の贈ることばです。
 3年2組で出した67枚目の学級通信は、これでおしまいです。卒業おめでとう。