キャベツを買うときに方程式
脳の作戦
神経細胞は、幼少期に半分近くは死んでしまうって言ったら、驚く人が多いでしょうね。でも事実なんです。神経細胞をつないでネットワークを構成する部分を『シナプス』と言います。このシナプスも小学校に入学する前がピークで、あとは減少していくんです。大人と同じぐらいになるのは15才頃です。
これは、人間が生まれてから育っていく環境がどんなものになるのかわからないから、どんな状況にも対応出来るように、とりあえずいろんな細胞をたくさん作っておく。そして、環境に合った細胞を生き残らせれば良いという作戦の結果なんです。だから、必要ないと判断した神経細胞は早い段階で次々になくしていくのです。そのかわりに、必要な神経細胞はしっかり発達させていきます。
神経細胞の発達に伴って神経細胞をつないでネットワークを構成するシナプスも急激に増え、神経細胞のネットワークは複雑なものになっていきます。でも、シナプスの増加は4~5歳頃がピークで、その後減少して、15歳ごろには大人と同じくらいのレベルになってしまいます。これも、余分に作っておいた神経回路から、環境に合わせて必要な神経回路だけを生き残らせるという、神経細胞と同じ作戦の結果なんです。
つまり、どんな刺激を与えるかによって、どのような神経細胞のネットワークが形成されるかが決まるのです。ある研究者は『人が豊かに生きていく上で大事なのは、神経細胞の数ではなく、どのような神経回路が作られるかなのです。』と言っています。脳に、どのような刺激を与えていくかが、とても大切なのです。
脳のネットワークがピークを迎えた頃から大人と同じくらいになるまでの時期に、義務教育の9年間を設定して、様々なジャンルの勉強をすることは科学的に正しいことだったようですね。
キャベツを買うときに方程式
『店でキャベツを買うときに、数学で勉強している方程式なんて必要ない』なんてことを言う人が時々います。そう言われて反論できない大人も情けないなと思うところもありますが、それは置いときます。
キャベツを買うのに方程式は必要ない。それはその通りです。でも、それって、勉強をしたくないための言い訳になってるんじゃないでしょうか? 僕に言わせれば、まだまだ発達途中の中学生が何を言ってるんだ?ってことになります。だいたい方程式を活用する場面を、キャベツを買うときぐらいしか思いつかないこと自体が、まだまだ発達途中であることを証明している気がします。
それに将来、方程式を本当に活用しなければならない場面が絶対にないなんて、誰も言い切れません。限られた予算で売上の目標を達成するためには、どんな原料をどれだけ仕入れ、商品をどれだけ作って、いくらで売ればいいかなんて、一般企業でよくありそうな話です。方程式や関数の出番です。また、方程式を直接利用しなくても、方程式の考え方が役に立つこともあります。キャベツを買うなんて、そんな程度のことのために学校は勉強を教えているのではありません。先生たちは、もっともっと先を見ています。
Let`s Begin!
大人が、君たち中学生に勉強をしなさいと言い続けるのは、自分が大人になるまでに経験してきたことから学んだことや、君たちが持っている可能性に対する願いのようなものがあるからです。実際に、先ほど説明したように、脳に刺激を与えるという観点からも勉強に取り組むことの大切さがわかってもらえると思います。
さらに、自分は勉強を精一杯やったと言える人の中には、本人の思いこみの部分がある可能性もあります。これが自分の限界だと、勝手に思いこんでいるというような可能性です。また、他の手段ややり方の工夫などを検討すらしないで、この方法しかないとか、このやり方で十分だと思いこんでいるような可能性もあります。
君たちはまだまだ発達途中の段階で、これからもっと努力をすればまだまだ伸びる可能性を持っています。でも、努力することが苦痛であったり、めんどうくさいと感じたり、何をどうしていいかわからないという人が多いのも事実です。
だから、前回、前々回、そして今回の学級通信で勉強をなぜしなければならないかを説明してきたつもりです。少しでも、勉強をする意味を理解してもらえたらと思ったからです。でも、そろそろこれで一区切りにしたいと思います。学年末テストに向けて、とにかく勉強を始めましょう。2年生最後のテストで、現在の自分の限界に挑戦するつもりで、勉強に取り組みましょう。
Let’s Begin!