アイデアと勉強の話

アイデアを生むもの

 前回の学級通信で説明したトロプス。みんなはどんな印象を持ったでしょうか。クラスで何をして遊ぶかを決めるとき、たぶんみんなは過去に遊んだことがあるものの中だけで考えていたと思います。それでは新しいアイデアは生まれにくいんですね。
 ところで新しいアイデアって、どうすれば生まれるのでしょうか。
まず、「もっと~できることは?」「~するには、どんな方法がいいのか?」といったように高い目標を設定して、それを目指す熱意を持つことだと思います。今回の場合「他の遊びはないか?」と考えていたら変化があったかもしれません。
 ふたつ目は、固定観念に囚われないことです。世の中には「形式」を大切にしないといけないこともありますが、そうでない場合でも人間は「これはこういうものだ」と勝手に枠をあてはめて考えてしまうことが多いのです。その方が、そんなに努力をしなくても他人のまねをするか、以前のやり方を繰り返すだけですむので楽なんです。でも、それでは新しいアイデアはなかなか生まれません。
 「固体観念に囚われない」という表現がわかりにくい人は、「見方を変える」と考えてもらったらいいかも知れません。刃を折れば切れ味を回復できるカッターナイフを発明した人は、刃物は折れてはいけないという固定観念を捨てて成功しました。また、トロプスはスポーツの見方を変えることで楽しめるゲームを生み出しました。どちらもよい見本だと思います。

情報を活かす

 みっつ目は情報を活かすことです。何の関係がないものでも、うまく結びつければ、新しいアイデアを生むことにつながるものです。さっきのカッターナイフの話ですが、刃を折るというアイデアは板チョコから思いついたんだそうです。ナイフも板チョコも身近なところにあるものですが、それを結びつけて考えることができるということは、情報を活かせていることになります。
 情報を活かすには、固定観念を捨てるということも大切ですが、もうひとつ、できるだけたくさんの情報を持っておくことも重要です。情報量が増えれば増えるほど、情報の組み合わせ方の数も増えます。いくら固定観念に囚われなくても持っている情報が少なければ、新しいアイデアにはつながりにくいのです。
 だから学校ではいろんな教科の勉強をします。なぜ学校で音楽や美術などいろんな教科の勉強をするのか疑問を持つ人がよくいますが、これで少しはわかってもらえたでしょうか。新しいアイデアを生み出せるように備えておくためには、みんなの脳の中にいろんな情報を蓄積していくことも大切にしなくちゃいけないということです。
 知識を詰め込むだけの勉強ではいけないということが、よく言われていた時代がありました。学校で覚えたことが社会で役に立たなかった。なんてことを言う人もいたようです。確かに知識を詰め込むだけで終わっていたのではダメだと思います。でも、十分な知識の蓄積がなければ新しいアイデアにつながりにくいことは、さっきも書いた通りです。つまり、情報を活用できる能力にも目を向けて、それを会得できるように努力することも大切にしましょうということです。
 だから、社会人になって学んだことを役に立てることができるかどうかは本人しだいの部分もあって、大人になってから役立てられなかったからといって、他人に責任を押しつけるのはちょっと違うだろうと思います。

これからに活かそう

 冬休みには、受験のための勉強をしっかりやってきたと思います。その努力によって知識が増えたことは、希望する進路先に合格できるかどうかということだけじゃなく、もっともっと先にまでつながる可能性があるということです。自分の未来の可能性を豊かにするために、残された時間もしっかり取り組んでほしいと思います。
 同時に、どんどん学んで情報の量を増やし、自分が持っている知識や情報を活かして新しいアイデアにつなげていく。高い目標を設定し、熱意を持って取り組む。勝手に固定観念をあてはめないで見方を変えてみる。そういったことを常に意識してください。
 まだ中学3年生のみんなが持っている情報には限りがあります。15年ぐらいしか生きていないのですから当然です。だから勉強していく必要があるわけですが、そんなみんなの周囲にはいろんな情報を持っている人がいるでしょう? 頼りすぎは問題ですが、自分以外の人の情報を利用することも情報の活用です。