『心が動くとき』を作ろう

 2組では昨年いくつかのグループワークトレーニングなどに取り組んできました。その度に学級通信で解説してきたのですが、まだ話していないこともあります。今回の学級通信はそのひとつについてです。

何を大切にするのかの基準

 「ダイヤモンドランキング」の取り組みでは、何を大切にするのかを考えて発表し、他の人の考えを聞いて何を大切にするかの基準がひとりひとりちがっていることを知り、そのちがいを受け入れることの大切さについて話をしました。
 さて、その「何を大切にするのかの基準」は、今までの経験の積み重ねによって出来上がっています。ひとりひとり育ってきた環境がちがうから、経験の内容や回数に差ができて「何を大切にするのかの基準」もちがってくるのです。だから、君たちはこれからもっともっといろんな経験をさらに積み重ねていくことで、「何を大切にするのかの基準」が少しずつ変化するというか進化していくことになります。
 ところが「何を大切にするのかの基準」が少しずつゆっくりと変わるのではなく、ある瞬間に劇的に変化することがあります。それはどういうときかというと『心が動いたとき』なんです。映画やドラマを見て感動したとき。誰かの話を聞いたり本を読んだりしてとても納得したとき。スポーツ選手や芸能人の活躍を見てすごくカッコイイと思った時。アート作品や大自然の雄大な風景を見て美しいと思ったとき。そういうときに心は動いています。そしてその結果、その人の行動や考え方が大きく変化していきます。「何を大切にするのかの基準」が変わったからです。
 『心が動くとき』は、周囲の人からの影響を受けるばかりとは限りません。それは自分がめちゃくちゃがんばって、何かをやり遂げたときなんかがそうです。例えば、勉強とかクラブの練習など、何かにものすごく頑張って取り組んで、十分満足できる結果を出せたとき。
 ただし、周囲の人たちと一緒に頑張ったというように集団で達成感を得られたときの方が、その後もいろんな場面で努力を続けるようになるとか将来の仕事選びに影響してくるなど、より大きな効果につながりやすいです。だから、クラスとか班での活動を大切にしてほしいんです。

努力は裏切らない

 さて、昨年の話に戻ります。僕は体育祭や文化祭の取り組みで時には厳しい指摘もしたし、より高い目標に向けて努力するように要求もしました。それは、君たちひとりひとりに『心が動くとき』をつくりだしたかったからです。そして「何を大切にするのかの基準」を成長させたかったからです。体育祭や文化祭を振り返って「あの時はめちゃくちゃ頑張ったなぁ」などと振り返ることができる人は、その取り組みの中で「何を大切にするのかの基準」に何らかの変化があったのだと思います。頑張って良かったよなぁと言えるのではないでしょうか? 「努力は裏切らない」って言葉は、そういう意味ではあてはまると思います。

『心が動くとき』をつくろう

 あと2カ月ちょっとで義務教育を終えて新しい環境に飛び出していく君たちは、そろそろ自分から『心が動くとき』をつくりだすことがあってもいいと僕は思っています。自分で目標を決めて、その目標に向かって努力を積み重ねて目標を達成するというのもいいし、新しく出会う人とつながりを持ってたくさんの人と触れ合うなかでいろんな話を聞くのもいいと思います。本や新聞を読んだり、新しいことにチャレンジしたりするのもいいと思います。
 中学校を卒業して新しい生活がスタートするこれから半年ほどの間は、そういうことにいろいろチャレンジできるチャンスがたくさんあるだろうと思います。ただ、中には周囲の視線を気にして真面目に取り組むとか努力をするとかができない人もいます。そんな場合じゃないだろうと思うのですが。
 現在の君たちは受験生という立場ですから、進路が確定するまでは自ずとできることには限りがあります。本当はやりたいことがあるのに我慢しなければならないこともいっぱいあるでしょう。そのことで精神的なバランスをとるのは難しいという人もいるかもしれませんが、受験のための勉強を頑張るってことも『心が動くとき』を作り出すことにつながるということがわかってもらえたら、また頑張れるのではないかと思います。