進路学習を始めます

通勤途中で

 去年の文化祭が終わってしばらく経った頃だったと思いますが、朝、◇◇中に向けて自転車で走っていた時に、急に歌声が聞こえてきました。若い女性の声です。
 時々、大音量で音をまき散らすような感じの車を見かけることはありますが、そうではなくて音楽は聞こえず声だけなんです。なんだろう? と思って周りを見回してみると、すぐに歌声の主がわかりました。通学途中であろう女子高生が大きな声で歌いながら自転車で走っていたのです。その耳にはイヤホンらしきものがセットされていました。つまり、彼女は携帯型の音楽プレイヤーで音楽を聴きながら大きな声で歌いつつ走っていたのです。
 自分専用の音楽プレイヤーには自分の好きなアーティストの曲を入れていることが普通ですが、中でも特にお気に入りの曲が流れてきたときに思わず口ずさんでしまったのでしょう。音楽のせいで周囲の音がよく聞こえず、自分では大きな声を出していることに気がついていなかったのかもしれません。すれ違う形になったのでどのくらいの時間歌い続けていたのかはわかりませんが、自分の状況を把握することが出来ていなかったために恥をかいたことは間違いなさそうです。

本人は状況をわかっていない

 周囲の人は状況を理解しているけど、当の本人は状況をぜんぜんわかっていない。こういったことは身近なところに結構あるものです。
 テストの結果を見て『こんな点数で、中学を卒業してからの進路どうするの?』。遅刻や忘れ物が多いことを聞いて『遅刻や忘れ物をするなんて、会社では絶対通用しいひんで』。職場体験や調べ学習などのまとめの紙を見て『就職した先でこんなまとめ方してたんでは、給料もらわれへんで』。というようなことを今までの懇談の中で、家の人に言われた人たちがいます。今の5組の中にも同じようなことを言われた人がいます。
 大人の多くは、今までの経験から勉強をがんばれなかった人が、あとでどんなに苦労をすることになるか知っているんです。約束の時間に遅刻した人や、仕事に必要なものを忘れた人や、会社で発表・報告するための資料をうまくまとめられなかった人がどんな扱いをされるのか、わかっているんです。そして、その結果は本人が受け止めるしかないことも。昨日の学級通信でも触れたように、大人になって責任を背負うということはこういうことです。だからこそ、君たちにキツイ言葉をぶつけることもあるんです。
 なのに、3学期の2日目から遅刻してくる人はいるし、忘れ物をする人もいる。学校のルールを守らない人もいたりする。これは、そのまま『周囲の人は状況を理解しているけど、当の本人は状況をぜんぜんわかっていない』というパターンが当てはまると思いませんか?
 そのままでいいですか? 君たちよりもいろんな経験を積んで、君たちが今何をしなければならないのかを分かっている大人の一人として、僕はとても心配しています。早くわかってくれよと願っています。

進路学習を始めます

 状況をきちんと把握していなかったために恥をかくようなことと似たようなものに、「知らない」から恥をかくとか「知らなかった」から後で苦労するというものがあります。
 始業式のあとの道徳の時間に、今年の12月の懇談で進路についての決定をしていくことや、そのあとに続く冬休みには、私立高校を受験する人はその高校の願書を取りに行くことなどを話しました。しかし、◇◇中を卒業してからの進路についての情報はまだまだ足りません。
 もしかしたら、進路についての正確な情報を伝えることで『本人は状況をぜんぜんわかっていない』という状態を改善することができるかもしれません。「知らなかった」から後で苦労するというリスクも減らせるかもしれません。ということで、来週から進路学習を始めます。
 その主な内容には、進路を考えるということはどういうことか、から始まって中学校を卒業してからの進路先にはどんなものがあるか、入試のシステムはどうなっているのかといった具体的な話もあります。
 ぜひ、前向きに話を聞いて、自分が進むべき進路とこれから何をがんばらなければならないかについてよく考えてください。