「大津波」で思うこと

 この学級通信は、2004年12月26日に発生したスマトラ島沖地震(インド洋大津波)を受けて、2005年1月の日付で残っていたものです。なぜか途中で止まっており、未完のままボツになったものだと思います。
 そこで今回加筆して投稿してみました。

人の醜さとやさしさ

 今回の大災害では、人の醜さを見る機会がありました。例えば親を失った子どもを連れ去り、どこかへ売りつける人身売買の報道。救援金が不正使用されないようにいつ何のためにどれぐらい使ったのか、誰が確認したのかなどをインターネットで公開するという国連の話。なんて悲しい現実なんでしょう。
 そういえば阪神淡路大震災の時に、商店を襲って物資を略奪するような暴動が発生しなかったことに驚いたという海外からのニュースもありました。大災害には暴動がつきものであるということが常識になっているのかと、こちらの方が驚きました。
 でも、人間ってそんな人たちだけではないんですよね。今回の大災害では、もっと多くの、人のやさしさを見ることができました。
 政府が救援金について発表したら、タイミングが遅いとか金額が少ないとの批判がおこり、増額することになった国がいくつかあります。国民の意見が政府を動かしたのです。さらに、一般市民の募金額が、政府が出すと約束した金額を大きく上回っているという国もあります。
 また、ある国ではホームレスらが「家もなく身寄りもないつらさはよく分かる。われわれは屋根があるだけまし」と募金活動に乗り出したと言う話もあります。そして被災地では、たくさんの人たちが被災者救援のために今も活動をしています。
 人間として、イヤになる話や悲しくなるような話もあるけど、こころがあたたかくなる話や嬉しくなるような話もいっぱいあります。まだまだ人間の心とか人間の力を信じてもいいなって、そう思いました。

地球の歴史、人の歴史

 地球が誕生したのは46億年前だと言われています。人の歴史の長さに比べたら、とてつもなく長い時間の流れです。その間には、今回の災害よりも大きな地震や津波があったと思います。他にも巨大隕石の落下や超巨大噴火などもありました。それらはたまたま人の歴史が始まる前の出来事なので、そんな話を聞いても「ふ~ん」で終わりがちです。
 でも、今は人の歴史が始まっています。今回の大災害は人類の歴史上最大級の津波被害ですが、これが最後というわけにはいかないでしょう。未来には津波に限らず、もっと大きな災害が起きる可能性の方が大きいと思います。しかも、いつ起きるのかわからないことが多いのです。
 今起きていること、そしてこれから起きること、すべて人が受け入れなければなりません。そして乗り越えなければなりません。それが、人の歴史を積み重ねるということです。

 1995年の今日、阪神淡路大震災が発生しました。被災地では10年たった今でも大震災が起きたことを受け入れられない人もいるだろうし、乗り越えられない人もいると思います。その人たちが受け入れ、乗り越えられるまで、まだ時間がかかると思います。インド洋の大津波の被災者も、きっと同じだと思います。
 被災者のために僕たちにできることは何でしょうか? もちろん忘れることではありません。ぜひみんなも考えてください。人のあたたかさを感じられる答が引き出せたらいいなと思います。

 地球の歴史は、これから何十億年か続きます。人のあたたかい歴史も同じように積み重ねていきたいものです。