楽しかったドッジボール
楽しかったドッジボール
先週の金曜日、クラスでドッジボールをしました。力を入れすぎて(?)、敵チームにボールをパスしてしまった人や速いボールを投げて活躍した人など、いろんなシーンを見ることができたし、和気藹々とした雰囲気は見ていても楽しかったです。
さて、みんなが楽しんでいる様子を見ながら、5年前にずいぶん変わったドッジボールをやったことを思い出しました。図を使ってちょっと説明をするとAチーム対Bチームで対戦しますが、コートは図のようにややこしくなっています。最初にA1にいた人がボールを当てられるとA2に移動します。さらにA2でも当てられるとA外に出ます。で、A外でBチームの人を当てることができるとA1に入ることができるというものです。このドッジボールだと中にいる時間が長くなりますが、それは敵にはさまれている時間が長いということでもあります。

敵の向こうにいる味方のさらに奥に敵がいたりするので、A外の人が投げたボールがB1とA2を越えてB2の人に当たることもあったりしてとても混乱しやすいのに、ボールを2球使ったりするともっといろんな要素が複雑に絡まって、普通にやるものとはずいぶんと違ったものになります。また、A外の人がいなくなったらA2の人がわざとボールに当たるという高度なテクニックも考えられるし、非常にごちゃごちゃして最終的には勝ち負けはわからなくなります。
勝者も敗者もなくていいという考え方
このような一風変わった遊びはトロプスと呼ばれるものの一種です。みんなが楽しめる遊びの条件は、運動能力や体格といったものに関係なく楽しめることと、勝者も敗者もないものがいいのではないかということで考えられたものがトロプスです。普通のスポーツとは逆の発想だから、SPORTSの最後のSをとって、それを逆に読んでTROPS=トロプスなんです。
例えばイス取りゲーム。イスの数が減って、座れなかった人が退場させられるのが普通です。最初に退場した人は長い時間ヒマです。トロプスのイス取りゲームは、誰もヒマになりません。イスの数は減りますが、人間は減らないのです。少なくなったイスにどうやって全員が座るのかを考えるゲームになるのです。もちろん、最後にはたったひとつのイスに全員が座ります。
トロプスのバレーボールは、ネットの高さが左右で違います。背が低い人やジャンプできない人は、ネットの低い部分でスパイクを打てばいいのです。他にもたくさんの種類のトロプスがあります。(実はトロプスの本を1冊持ってます)
世の中には勝ち負けをはっきりさせることが必要なときもありますが、それがすべてではありません。勝者がいるということは必ず敗者がいます。世の中全部を勝者と敗者に分けるなんてことが進むと、敗者どうしでさらに勝負をしてスーパー敗者を作り、勝者も同じように勝負をしてスーパー勝者を作ることになって、さらにスーパーどうしで勝負をして… だんだん社会全体が縦長の集団になってしまいます。
そして、自分より少しでも下の人を見て安心したり、誰かを自分よりも下にするために攻撃をしたりするようになるのではないでしょうか。そんな世界なんて、僕はいやです。だから、勝者も敗者もなくていいこともあるんだという考え方はとても好きです。みんながそこにいてホッとできる。生きることを本当に楽しめる。そんな部分を少しでも増やせたらなって思うんです。
企画力を持とう
僕はクラスでこうやって遊ぶとき、何をして遊ぶかを話し合うことから始めたいと思っています。だからクラスで遊びたいという申し出があった時に、みんなで遊べるようなものを考えてくださいと言いました。
将来、高校や大学を出て社会人になった時に、何かをするための段取りを考え、必要な準備をし、実行していかなければならないことがたくさん出てきます。このようなことができる能力を「企画力」と呼ぶんだと僕は思っています。時には自分の手に負えなくて誰かの力を借りてもいいから、自分たちで考えて準備をして実行していく経験を積んでほしいのです。それが、将来きっと役に立つと思います。
今回は、その企画力の点では少し不満が残っています。もう少しできたことはあったんじゃないかと…。でも、まぁ、これも経験ということで、次にこうやって遊ぶことができる時には今回の経験をぜひ生かしてください。