心が動くとき

文化祭のビデオ

 昨日、文化祭のときのビデオを見ました。あれから2か月も経っているんですね。だいぶ時間が経っていたので、忘れていたところもあったし、こんな感じだったのかとわかったところもありました。
 文化祭の当日、発表準備のために見ることができなかった他のクラスの発表も続けてビデオで見ることもできました。あらためて比べてみると、もう少し工夫できたかもしれないなぁと思うところもありましたが、4組のみんなががんばって考えて努力したところ、たとえば場面転換の時間の短さといった良かったところもわかって、ビデオを見てよかったなぁと僕は思いました。
 さて、文化祭が終わってからの2カ月の間に、4組ではいくつかのグループワークトレーニングなどに取り組んできました。その都度学級通信で解説してきたのですが、まだ話していないことがあります。そのひとつを今から書いてみたいと思います。

何を大切にするのかの基準

 「大切なもの」についての取り組みで、大切なものは何かを考え、発表し、他の人の考えを聞いて何を大切に考えるのかの基準がひとりひとりちがっていることを知り、そのちがいを受け入れることの大切さについて話をしました。
 さて、その「何を大切にするのかの基準」は、今までの経験の積み重ねから出来上がっています。一人ひとり育ってきた環境がちがうから、経験の内容や回数にもちがいができて、「何を大切にするのかの基準」がちがってくるのです。だから、君たちはこれからもっともっといろんな経験をさらに積み重ねていくことで、「何を大切にするのかの基準」は少しずつ進化するというか成長していくのです。
 ところが「何を大切にするのかの基準」が、少しずつ変わるのではなく、あるきっかけがもとで劇的に変化することがあります。それはどういう時かというと、『心が動いたとき』なんです。映画やドラマを見て感動したとき。誰かの話しを聞いたり本を読んだりしてとても納得したとき。スポーツ選手や芸能人の活躍を見てすごくカッコイイとか美しいと思ったとき。そういうときに心は動いています。そして、その結果、それ以降のその人の行動や考え方が大きく変化していきます。「何を大切にするのかの基準」が変わったのです。
 『心が動くとき』は、他人からの影響がなくても起きることがあります。それは自分がめちゃくちゃがんばって、何かをやり遂げたときなんかがそうです。例えば、部活で練習をすっごく頑張って、十分満足できる結果を出せたとき。おそらくその人はもっと頑張ろうと努力を続けるだろうし、もしかしたら将来の仕事選びにも影響してくるかもしれません。

『心が動くとき』をつくろう

 さて、先ほどの文化祭の話に戻ります。文化祭の準備期間中、僕は時には厳しい指摘もしたし、より高い目標に向けて努力するように要求もしました。それは、君たち一人ひとりに『心が動くとき』をつくりだしたかったからです。そして、「何を大切にするのかの基準」を成長させたかったからです。
 昨日の文化祭のビデオを見ながら、「あの時はめっちゃ頑張ったなぁ」などと振り返ることができた人は、文化祭の取り組みの中で「何を大切にするのかの基準」に何らかの変化があったのだと思います。頑張った甲斐があったといえるのではないでしょうか。
 あと何カ月かで義務教育を終える君たちは、そろそろ自分で『心が動くとき』をつくりだすことがあってもいいと、僕は思います。自分で目標を決めて、その目標に向かって努力を積み重ねていって目標を達成するというのもいいし、いろんな人とつながりを持ってたくさんの人と触れ合うなかでいろんな話を聞くのもいいと思います。本や新聞を読んだり、新しいことにチャレンジしたりするのもいいと思います。
 もしかしたら中学校を卒業して新しい生活がスタートするこれからの何カ月間かは、そういうことがいろいろできるチャンスかもしれません。ただ、中には周囲の視線を気にして真面目に取り組むとか努力をするとかができない人もいます。そんな場合じゃないだろうと思うのですが。
 また、今は受験生という状況もありますから、進路が確定するまでは自ずとできることには限りがあります。本当はやりたいことを我慢しなければならないこともあるでしょう。そのあたりのバランスは難しいかもしれませんが、何を優先すべきかを考えれば、自然に答えは出てくると思います。