クラスの雰囲気を大切に

技術科の授業で

 今、2年生の技術科の授業ではリーフレタスの水耕栽培をしながら、テーブルタップ(延長コード)を作っています。
 テーブルタップの材料は、授業の終わりにクラスごとに用意した箱に入れて次の授業まで保管しますが、材料の入った袋をどのように箱に入れるのかについては特に細かく指定していません。しかし、1組から5組までの箱を見ていると、クラスごとに袋を並べるパターンが決まっていることに気がつきます。箱の長辺方向に袋を立てて並べているクラスが一番多いのですが、あるクラスだけは乱雑に放り込んで山盛りにしています。そして、その後何回か授業がありましたが、5組以外はみんな同じ状態がずっと続いています。
 何故このようなことが起こるのかというと、最初に材料の袋を箱に入れた人がどのような入れ方をするのか、がきっかけになります。人間は、無意識のうちに周囲の人の動きなどを観察し、それに合わせようとする心理が働きます。だから、一人目の人が入れた袋を見て、二人目の人はそれに合わせて自分の袋も同じように並べます。こうなってくると、心理的なプレッシャーが発生します。二人目までが同じ並べ方をしているのを見た三人目以降の人たちは、迷うことなくその並べ方に揃えていきます。しかも、こういう形で箱に入れるのだというイメージが記憶にインプットされるので、次回以降も同じ入れ方が継続するのだと思います。
 同じようなことはたくさんあって、学校生活や家庭生活を探せばいくつも見つけることができます。

クラスの雰囲気

 無意識のうちに周囲の状況を読み取って、自分の行動を決めてしまう。いろんなことをどのようにやっていくか、そのやり方を固定化していく。そんなことの積み重ねで『クラスの雰囲気』が出来上がっていくのだと思います。
 授業中寝ていても「誰にも迷惑をかけてないんやから放っておいてくれ」などと言う人がいたりしますが、その寝るということが原因でクラスの雰囲気をつぶしているわけですから、誰にも迷惑をかけていないことにはなりません。要するに、授業を静かに受けて勉強を頑張ることができるクラス、行事に前向きに取り組めるクラス、掃除や係の仕事がきちんとできるクラス、があるかと思えばそうでないクラスがあるのは、それぞれのクラスのメンバーがどう行動してきたか、が大きく影響しているのです。
 こういったクラスの雰囲気は、自分では気がつきにくいことが多いです。例えば授業中騒がしいクラスがあったとしても、「こんなもんだ」というようにイメージが固定化されているとそれが問題だとはわからないし、なかなか他のクラスと比較しないので自分のクラスの姿が見えにくいからです。残念ながら、5組は授業や勉強に関する点で良くないイメージというか、レベルの低いところで固定化されているところがあるようです。それが、中間テストの結果につながっているのではないかと思うのです。でも、もう手遅れだなどとあきらめてはいけません。

よい雰囲気をつくろう

 さっきの、技術科の授業での袋の入れ方についての話に戻します。
 5組は、以前までは箱の短辺方向に袋を立てて並べていました。このような並べ方をしたクラスは、僕がこの中学校に来てからの5年間で初めて見ました。また、5組だけ前回の授業後に多くのクラスと同じ長辺方向に並べる形に変わりました。途中で並べ方が変わるクラスも、結構珍しいです。本当は、前回の授業の終わりに最初の数人が乱雑に箱に入れて、そのままの方向になりそうだったんですが、ある人が途中で気がついて整頓して並べなおしてくれたからなんですけどね。
 これらのことは、5組は柔軟な発想ができる部分があること、たった一人の行動がクラスを変えていくことができる可能性があること、などを表していると思います。文化祭での取り組みの中でも、同じようなことが見られました。
 最近でも、教室の掃除で自分の担当する仕事が終わった後に窓を一生懸命に磨いてくれる人たちがいて、窓がすっごくきれいになりました。また、教育相談を終えた人たちの約半数が、テストの3週間以上前から期末テストに向けた取り組みを始めていることがわかりました。そういったことを積み重ねていくことで、5組の雰囲気を変えていけると思います。5組の中によい雰囲気をもっと作るために、一人ひとりが小さな勇気をだしていきませんか?