グループ ワーク トレーニング
NASA実習を振り返って つづき
話し合いで班の能力をどれぐらい引きあげることが出来たかをあらわす「④グループ効果」は、すべての班がプラスになりましたが結果には差があります。しかし、その結果だけを見て結果の低い班はだめだということにはなりません。ひとりの人間が持っている能力はたったひとつではありません。いくつもあります。そんな人間が集まってできた『班』も、いくつもの能力を持っているはずです。今回のNASA実習というたったひとつの基準でその班やその班のメンバーの優劣を決めつけるのはおかしいです。
さらに、今回の経験を活かして、次回同じような課題に取り組んだときには、きっと大きく改善されているはずです。人間は経験を積むことで成長することができるからです。だから、ある時点での結果を見て、将来もずっと同じだと決めつけることも、またおかしいのです。
自分の属している集団が良い集団だと思え、そこにいることが心地よく感じられるというのはとても幸福なことです。なぜなら、そこに至るまでには、誤解などから生じるトラブルや不用意な言動から人を傷つけてしまうなど、いろんな事があったはずです。でも、それらをきちんと解決していくという事実の積み重ねがなければそんな感覚にはつながりません。良い集団には、少なくとも良いことの積み重ねがたくさんあったはずだからです。
グループ ワーク トレーニング
1学期からストロークやディスカウントについて話をしてきました。これらはグループワークという理論の中で扱われている考え方です。グループワークは、「環境が人を育てる」ということを基本にして考えます。
昔、流行った「だんご三兄弟」の中に「弟思いの長男、兄さん思いの三男、自分が一番次男」という歌詞があり、我が家と同じだなどと納得した人の話を何度か耳にしました。グループワークでは、この場合長男、次男、三男という環境(状況とか立場)が、それぞれの性格とか考え方につながったのだと考えるわけです。だから、より良い成長を目指すためにはより良い環境=よりよい人間関係を作るように考えるべきだということになります。
ぴよぴよ大学入学試験にもNASA実習にも題名の所に「GWT」と書いていたことに気がついた人がいたかもしれません。GWTは、グループ ワーク トレーニングの略で、ゲーム的な要素を持つ課題に取り組む中で人間関係のことなどを体験的に学び、よりよい集団や人間関係を自分たちでつくるためのトレーニングをしようとするものです。
集団がよい発達をしていく過程を見ると、みんなバラバラの状態からまず近い人と小集団をつくり、離合集散を経てしだいに小集団がくっついていき、やがてひとつの大きな集団にまとまります。しかし、集団が必ずまとまるとは限らないし、大きな集団になってもすぐに分裂してしまうこともあります。集団がひとつにまとまるかどうか、良い状態を長く維持できるかどうかは、その集団のメンバーがどう行動するかにかかっています。
NASA実習のときの様子を観察していると、残念ながら班での話し合いにしっかりと取り組むことができなかった人が何人かいました。そんな行動を見て同じ班の人たちはどう感じたか、ぜひ想像してください。少なくとも、自分たちの班はよい班だと感じることはできないだろうと思います。
まとめ
○ 集団が力を発揮するためには、まずいろんな発想や考え方を持った多様な個性が必要です。集団のメンバー全員が同じ発想しか出来なかったら、いろんな課題や状況の変化に柔軟に対応できません。だから、個性を大切にしない「いじめ」などは絶対に許してはいけないのです。
○ その上で自分の個性を活かすように考え、行動してください。自分の能力を集団の中で活かしたとき、それを「長所」といいます。そのために視点を個人と集団とにバランスよく向けていくように心がけてください。そうすれば、班やクラスの良い雰囲気も作りやすいはずです。
○ 「話し合い」を大切にしてください。きちんと話し合いのルールを守り、全員が話し合いに参加することで集団の力は大きく発揮できるからです。こういったことを少し意識して、残された中学校生活を送って欲しいと思っています。