文化祭の経験を活かそう

 文化祭が終わりました。長い取り組みの間に、君たちは様々な経験をしてきたと思います。その経験を次に活かすために、少し振り返ってみたいと思います。

むずかしい脚本でした

 僕は文化祭で劇に取り組まない学校に勤務したことがないので、今まで何度も劇を経験してきました。様々な脚本に取り組んできましたが、今回の「22時22分のうふふふふ」は最も難しい脚本だったのではないかと感じています。
 脚本集ではこの劇の舞台装置(大道具など)をこのようにしてください。などと簡単にできるように書いてありましたが、具体的にどのように工夫をすればよいのかまではまったく書いていませんでした。実際に床や障子などの製作を始めてみるとものすごく大変で、どのような構造にすればうまくできるのか、色々と考えながら試行錯誤を繰り返さなければなりませんでした。担当の人たちは、本当によく頑張ったと思います。
 また、◇◇中ではドライアイスの使用が禁止されているのでスモークが使えず、プロの劇団用のドライアイスを使わないスモークマシンを借りるにはお金がすごくかかるので、このスモークの代わりをどうするかでも色々と考えなければなりませんでした。この担当の人たちも、頑張ったと思います。
 大変だったのは、それだけではありません。それはこの劇の登場人物が少なかったこと。しかも大きな場面転換がなく、役者たちが派手に走り回るようなシーンもなく、ただ役者たちのセリフを中心に舞台は進行していきます。このようなタイプの劇を「セリフ劇」といいますが、当然このタイプの劇では役者たちのセリフの量は多くなります。特に「22時22分のうふふふふ」の場合、主役のセリフはとんでもない量でした。その膨大なせりふをすべて覚えるのはすごく大変だったと思います。よく頑張ったと思うし、セリフが抜けてしまったり、詰まったりしたのも仕方がなかった面もあると思います。
 来年の文化祭では、また劇に取り組むことになると思います。どんな脚本を選ぶのか、今年の経験を活かしましょう。

考えること

 文化祭の取り組みの期間中、僕は何度も「考える」ように言いました。「誰かの指示を待つのではなく、自分から行動するように」ということも「コミュニケーションをとる」ことも繰り返し要求しました。これらは、これからの君たちにとって大切にしなければならないことだからです。
 例えば高校や大学で勉強する時も、就職して仕事に取り組むときも、「自分で考える」こと、「誰かの指示を待つのではなく、自分から行動する」こと、「周囲の人たちや他のチームとコミュニケーションをとる」ことができる能力が必要で、それらを持つ人材が求められているからです。僕の呼びかけのせいかどうかはわかりませんが、あちらこちらで成果が見られました。

・布団を買うとなると値段が高いのでシーツだけ買って、中には厚手の大型ビニール袋に学校のシュレッダーゴミを詰めたものを入れましたが、そうそう都合よく必要な量のシュレッダーゴミが出るわけはありません。そこで、家から新聞や広告を持ってきて、それをシュレッダーで細断して使いました。
・役者の小学生役が小学生らしく見えるように、ランドセルを持ってきました。
・障子を支えるために木で大きな枠を作ると、教室からドアから運び出せなくなってしまう可能性があったので、枠を使わない工夫が必要でした。さらに、裏から光をあてて影が映るようにもしなければならず、苦労をいっぱいしました。その苦労だけでドキュメント番組ができそうな気がしました。
・音響は、家に持ち帰って編集をするだけではなく、学校にある音響用CD以外の音源も使っていました。
他にも、いろんなところで努力を積み重ねてきたと思います。その経験は、来月の職場体験などで活かしましょう。

 最後に、劇の中でストーリーに関係のない「笑い」を目指さなかったことを、僕はとても良かったと思っています。「間」の取り方や繰り返し方がうまくて、それが笑いにつながったクラスと、単に「笑い」を目的にしたネタをやったクラスとでは「観る人を大切にする気持ち」が違います。そのことも忘れないで欲しいです。