情報を正しく判断しよう

大臣の辞任で

 ※この学級通信は2011年に書かれたものです。

 先日、経済産業大臣が福島原発事故に関連しての発言等がもとになって辞任しました。テレビや新聞で大きく報道されていたから、知っている人は多いと思います。僕も最初の報道を見た時には驚いたし、辞任したと聞いても「仕方がないかなぁ」と思う程度でした。
 ところが、インターネットで神田外語大学の中山教授の意見を読んで、今回の事件はそう簡単ではないということがわかってきました。中山教授によれば、辞任の原因になった発言について、その内容が報道機関によって違うというのです。
 大臣は何と言ったかの部分だけを比較すると、読売「ほら、放射能」、朝日「放射能をつけちゃうぞ」、産経「放射能をうつしてやる」、FNN「放射能を分けてやるよ」、毎日「放射能をつけたぞ」、日経「放射能をつけてやろうか」と報道されたそうです。中山教授の意見はこう続きます。
 『なによりも国民に正確な報道をすることがマスコミの役目である。今回のように勝手に創作した内容を国民に報道することは、報道機関としてもマスコミの信頼性を大きく損なう行為である。今回の報道は、記者の創作であり不正確な内容である。すなわち鉢呂氏自身の発言とは異なっているということだ。もし、どれか一つが本当だとしたら、その他は記者の作文だということだ。
 大手マスコミで働く記者たちは、たった一言も覚えられないほど能力が低いのか、もしくは人の話を正確に聞く能力がないということだ。そして、よく聞こえないときは適当に創作して記事にしてしまうということだ。 <中略>
このようなことが平気で行われているようでは、今後マスコミが、だれだれがなになにを言った、と報道しても、到底、信用などできない。』
 僕は、大臣を辞任しなくてもよかったのでは? などと言うつもりはまったくありません。ただ、先週の学年集会で噂の恐ろしさに触れ、『正しく判断し、行動できるように考えて下さい。』と言った僕自身が、一部のマスコミの情報だけを信じて判断していたことについて反省すべきだと思ったのです。

裏に隠れているもの

 僕は、「表面的に表れている物事の裏には、何かが隠れていることがある」ということを少しは分かっているつもりでした。
 例えば、映画等の宣伝でよく使われている「全米ヒット№1」。よく見ると端っこのほうにめちゃくちゃ小さく「公開3日間の観客動員数」といった感じでただし書きが書いてある。効果的な宣伝のおかげで公開前に期待する人がたくさんいて、3日間の観客数がすごかったとしても、その後映画を見て内容に失望した人たちの口コミから観客数が伸び悩んでいる可能性もあるのに、そのことは触れないんですよね。しかも「ただし書き」の中身はいろいろ違っていたりするんです。
 「ポケモンが好きな人は、手を挙げて」と小学生に聞いたらかなりの人が手を挙げるでしょう。しかし、「マッギョが好きな人」とか「ヤナッキーが好きな人」のように聞いたら、手を挙げる人は激減すると思います。同じようなことがAKB48 でも言えると思います。なのに「国民的アイドル」などと報道されていて、ほんまか? と思っています。
 また、僕の家の近所の、ある塾の前に『公立高校全員合格 おめでとう!』という張り紙があります。それを見て僕は「私立高校では全員合格できなかったのかな」と考えるし、別の塾では『志望校全員合格!』と書いてあって、これだけではどんな学校を志望したのかその内容は分からないし、途中で何らかの事情で志望校を別に変更したとしても、それも「志望校」には違いないからなぁと考えました。

正しい判断をしよう

 それなのに、今回の件について僕は一部の報道に引きずられてしまいました。裏に隠れていることに気がつけるのかどうかで結果はずいぶんと違ってくるのだから、みんなにも注意をしてほしいと思います。
 まず、何でもかんでもそのまま鵜呑みにしない、という心の姿勢を持つことです。そして、他人に任せないで自分で考えるようにすることです。それだけで思い込みや決めつけを減らせるでしょう。
 さらに、周囲の人たちとコミュニケーションをしっかりと持ってほしいです。「三人寄れば文殊の知恵」ということわざもあるように、ひとりで考えて判断するよりも複数で意見を交わしながら考えて判断をしたほうが、正しい判断につながりやすいです。そのためにも、普段からのコミュニケーションを大切にしてください。
 これらのことは、3週間後に迫ってきた文化祭の準備にもきっと役立つはずです。