自分たちで学校をつくれ!
◇◇中学校の印象
今年、◇◇中学校では夏休みには大きな事件もなく、無事2学期をむかえることが出来ました。でも、全く何もなかったというわけではありません。夏休みは長いですから、腹の立つような話もあればうれしい話もありました。そういったことの積み重ねが「◇◇中学校の印象」を作っていきます。
「体育祭で一生懸命走っている姿がすばらしかった」「文化祭で心に響く歌声を聞かせてくれた」「学校からの帰り道でこんなことしているのを見た」「噂ではこんな事件があったそうやで」 ◇◇中学校が、今どんな様子か知らない人たちは、こういった表面に表れるほんの一部の事を見たり聞いたりして、イメージを創り上げていくわけです。
不良のいない学校
『不良のいない高校に進学したい。』1学期の進路相談でそんなことを言った人がいるそうです。以前いた学校でも同じ事を聞いたことがあります。僕に言っていないだけで、6組の中にも同じ事を考えている人がいるかもしれません。
まぁ、そういう気持ちになるのもある程度理解は出来ますが、僕の中では少し引っかかるところがありました。それが何なのか、はっきりとしないからしばらく学級通信に書けなかったんですが、ようやくわかってきたので今、これを書いています。
学校ってその学校にいる先生と生徒が中心になって創り上げていくものですよね。その学校にいる人がどんな学校にしていくかによって、その学校の印象もずいぶんと違ったものになっていくはずなのに、自分は何もしないで他人に任せて行こうっていう心の姿勢があるように感じて、そこが引っかかっていたんです。高校は義務教育じゃありません。自分から進んで進学し、何かを学んで行こうと言う気持ちがなければならないはずです。なのに、他人に任せようという気持ちでいるのはおかしいと思うのです。
学校は変えられる
「集団」と呼べるものは、その集団に所属するメンバーによって集団の雰囲気が創り上げられます。ということは、所属するメンバーしだいで、集団の雰囲気は変えられるのです。それは学校や会社でも、また仲良しグループでも同じです。そんなことむずかしいと思い込んでいる人はいませんか? それではなかなか変わりません。
何かのきっかけがあれば、本当に変わるんです。ひとつ例をあげると、去年、君たちは職場体験をしましたね? 楽しかったとかしんどかったとかいろんな感想がありました。でも、◇◇中学校の職場体験は1日だけなんですよね。3日間もやっている他の学校があるから、僕が担任していたクラスでちょっと聞いてみたんです。「もしも、同じ職場であと2日間続けるとしたら行きたい?」 手を挙げてもらって確認するとほとんどの人が行きたいということでした。
僕は、そのことを職員会議で言ってみました。そして、授業時間の問題もあるから実際に可能かどうか検討をすることになりました。その結果、今年から職場体験は2日間行うことになりました。
自分で学校をつくれ
学校の雰囲気は君たちしだいで変えられるんです。そのためには他人任せにしようとする気持ちは捨ててください。まずは体育祭と文化祭を自分で創るんだという気持ちを持ちましょう。そうすれば、今は何をしなければならないか考え、気がつくことができます。もっと出来ることはないか、アイデアや工夫が生まれます。意見を出し合い、人間関係が広がります。クラスの仲に人の和が生まれます。それらの結果、◇◇中学校の印象に新しい1ページが追加されるんです。
◇◇中学校に限らないのかもしれませんが、君たちを見ていると、何をするのか目標を設定する能力、アイデアを出す創造力、目標を実現するまでの段取りを考える計画立案能力、みんなと協力するためのコミュニケーション能力、などが苦手だと感じます。これらはすべて、将来社会人になったときには必要なものなのに…。だから、中学校生活最後の体育祭、文化祭でがんばることは、そういった能力を身につけていくことにもつながるわけで、その意味でもしっかり考えて取り組んでもらいたいものです。
もうひとつ、気をつけてほしいのは、自分たちだけが盛り上がればよいものじゃないってこと。本当にレベルの高い体育祭、文化祭になれば、見ている人を感動させることができるのです。そういったレベルの高いものを目指しましょう。