なぜ文化祭でがんばるか Ⅱ

文化祭で何を学ぶか

 学校とは学ぶところです。その学ぶ場である中学校で文化祭をするということは、何かを学ぶ目的がそこにはあるんじゃないか、ということになります。実際のところ目的はあるんですが、それはひとつやふたつではありません。思いつくままに列挙してみましょう。

・ 文化祭に取り組む過程で、普段とは違ういろんな人とのいろんな接触があります。その中であまり仲の良くない人たちとも協力しなければならないとか、何らかのトラブルが発生してそれを解決するなど、人間関係についてたくさん学べるし、人間関係そのものが広がります。
・ 同じクラスの仲間の新しい一面を見つけることができ、人を見る目が広くなります。時には、自分自身についての新しい一面を見つけることもあります。
・ 合唱や演劇という「文化」に触れ、経験することでたくさんの知識を身につけることができます。まれにではありますが、そのことがその人の人生に大きく影響することもあります。
・ 話し合いや練習、準備などの過程を経験することで、「集団」についての様々なことを学びます。例えば自分の意見を分かりやすく伝えること、人の意見をきちんと聞くこと、情報の共有や伝達が大切であることを理解するなどです。また、全体を見て計画を立て、実際に計画的に準備を進めていくことで計画の大切さを知るとともに、集団の一員として実際に計画的に行動できるようになることも大切です。

 他にもありますが、要するに文化祭はいろんなことが体験できて、いろんなことを学ぶことができて、成長できるチャンスがいっぱいあるということです。そして、文化祭に積極的に取り組まないということは、成長できるチャンスを捨てるようなものです。これらは将来、君たちが社会人になるときに役に立つものもあるし、社会人になるまでに必ず身につけておかなくてはならないものもあります。大事にしてください。

セルフエスティーム

 ここ数年、先生の研修などで『セルフエスティーム』という言葉を何度も聞くようになりました。
 セルフエスティームとは『自尊感情』とも訳されますが、僕は『自分のことを大事だというだけでなく、人のことも大事だと思える感情』という解釈の方が好きです。もう少し説明すると、誰にだって性格などでイヤだなぁと思う面を持っています。けど良い所も必ずありますよね? それらを全部ひっくるめて自分のことが好きになれること。そして、自分の周囲の人にもイヤだなぁと思う面もあるけど良い所もあって、それらを全部ひっくるめてその人のことを好きになれること。それがセルフエスティームです。
 ところが、自分の悪い面ばかり気にしてしまい、周囲の人は良い面ばかりあるように見えて、自分には何の価値もないなどと考えてしまう人がいます。また、自分の嫌いな面を他人から隠すためにウソをついたりごまかしたりする人もいます。自分の悪い面から目をそむけたくて、他人の悪い面ばかり見て攻撃するような人もいます。そうじゃなくて、人にはいろんな面があって当たり前だし、他人と違うことこそを大事にしなくてはならないんですけどね。
 自分を丸ごと受け止めることができない。自分のことを好きになれない。そういった人が増えていて、そのことが子どもたちの成長に悪影響を及ぼしているのではないだろうか。その考えから「セルフエスティーム」が登場したんだと思います。
 それでは、セルフエスティームを高めるにはどうすればいいのでしょうか。ひとつは「成功体験」をすることだと思います。「成功」といっても何かで優勝するなんていうことだけじゃありません。優勝できなくてもみんなと協力できたとか、自分の力を出し切って一生懸命がんばれたということも「成功体験」なんです。そう考えると文化祭ってセルフエスティームを高めるためにうってつけの行事です。文化祭をがんばるって事はクラスや生徒会のためにっていう面もあるけど、自分のためにもとても大切なことなんです。
 もうひとつは、自分をしっかり見つめること。自分のやったことを振り返ることです。良かったことを正しく受け止め、反省すべき点を次につなげる。それができたら自分に自信が持てるようになります。だから、学校では行事のたびに感想文を書かせたりするんです。
 ということで、いよいよ来週が本番です。みんな、しっかり取り組みましょう。