空路検索から見た 世界の国々 2014

 総合的な学習の取り組みのひとつとして、2組では班ごとによく知っている国、少し知っている国、あまり知らない国をひとつずつ選んでそれぞれの国について調べることにしました。
 今回の国調べで、2組のどの班にも選ばれなかった国はたくさんありますが、その中から地域にかたよりが出ないようにしながら適当に15カ国選んで、担任が調べてみることにしました。選んだ国は次の通りです。

中南米: ウルグアイ東方共和国、ペルー共和国、メキシコ合衆国
中東:トルコ共和国、イスラエル国
アフリカ:モロッコ王国、ケニア共和国、南アフリカ共和国
ヨーロッパ:ノルウェー王国、ギリシャ共和国、ポーランド共和国
大洋州:ニュージーランド、パプワニューギニア独立国
アジア:ベトナム社会主義共和国、ネパール連邦民主共和国
  ※地域の分類は外務省のHPを参考にしました。

 ただし、これらの国を単純にそのまま調べて発表すると言うのは、僕の性格に合いません。場合によってはほとんど紹介しない国が出てもいいから、思い切って何かを基準に比較をしてみたいと考えました。そこで、考えついたのが今年の冬休みにその国に行ってみるとしたらどうなるのかを比べてみることでした。
 早速インターネットで空路検索・予約ができるサイトを探し、次の条件で検索してみました。検索とまとめには結構時間がかかりましたが、自分なりに面白い結果が出ました。では、その結果を発表します。

条件 ①出発地は関空で、出発日は12月23日(火)
   ②航空会社や経由地、所要時間等は問わない。
   ③その国に複数の国際空港がある場合、一番上に表示される空港を選ぶ。
   ④検索結果が複数あった場合は、最も価格が安いものを選択する。
   ⑤実際に行くわけではないので、帰りの便は無視してとにかく現地に到着することだけを考える。

条件が合わないらしい国

ウルグアイ東方共和国、ペルー共和国、イスラエル国、パプワニューギニア独立国

 空路検索・予約サイトで国名も出るし、国際空港の名前も出るけど、検索をするとしばらくして「入力されたスケジュールでご利用いただける商品はございませんでした。(満席の場合も含む)スケジュールを変えて再度検索してみてください。」とでる国です。
 国際空港は作るのにものすごいお金が必要になるし、さらに航空燃料の確保や飛行機を整備するための交換用部品や作業員の確保など維持する費用もかさみます。経済的に苦しんでいる国では国際空港を設置するのも大変でしょう。利用する客や貨物がある程度の水準以上あれば何とかなるのでしょうが、経済的に余裕のある人がたくさんいないとそれも望めません。海外旅行をするにも、海外からの商品を購入するにも、豊かな経済力が必要だからです。実際、日本でも海外旅行に行く人が増えてきたのは、そんなに昔ではありません。
 また、国土の面積が小さい場合も空港を必要としない原因になり得ます。また、海外からの客を受け入れるためには、観光客が楽しめる美しい自然とか楽しい施設などが必要だし、何よりも治安が良くなくてはいけません。でも、政治の不安定による内戦やテロがあったりして、それどころじゃないという国もあるのが現状でしょう。
 そこで、今度は外務省のホームページにある海外安全情報でこの4か国を確認してみると、ウルグアイ以外は「渡航延期勧告」か「渡航の是非を検討」が出ていました。これが原因で検索できなかったのかもしれません。
 念のために出発日を変えたりすれば行けるかもしれないと思い、試しに出発日を前後1日ずつずらして再検索をしてみましたが、やっぱり検索結果に変わりはありませんでした。やはり何か特別な事情があるのかもしれません。

検索できた国

 検索できた国は全部で11か国になりました。
 これらをどんな順番で発表するか、いろいろ考えましたが、大人一人分の料金の高い順に発表することにしました。
 ※到着時刻等は現地時間のようです。

第1位 ネパール連邦民主共和国  ¥154,970円

 関空 23日13:30発 → シンガポール 24日05:40着
 シンガポール 24日11:00発 → ネパール カトマンズ 24日13:55着

 日本から遠いアフリカや南米の国ではなく、同じアジアの国が一番高額になってしまいました。ただし、他の国でもそうなんですが検索の結果はだいたい複数あって、その中にはもっと高額のものもあったりします。どこの国かは忘れましたが、最も高額なものは片道だけで50万円ぐらいかかります。僕の1か月の給料では行くことすらできないんですね。
 世界の国の中には、必要な渡航費用や滞在費が用意できないからという理由で、オリンピックに参加することをあきらめた国があるという話を聞いたことがあります。この金額を考えると納得できますね。また、少しでも費用を抑えるために、コーチや監督などは誰も行かないで、選手だけで参加するとか、必要な道具類は強豪国の中古をもらうとか借りるとかするという話もあります。
 ネパールはヒマラヤへの登山の入り口にあたる国です。昼食を食べる習慣があまりなく、その代わりに軽くお菓子などを食べるそうです。

第2位 メキシコ合衆国    ¥148,080円

 関空 23日 08:10発 → 羽田 23日09:25着
 羽田 23日 18:50 → カナダ トロント 23日16:45
 カナダ トロント 23日20:05発 → メキシコ メキシコシティ24日00:15着

 中南米は日本から遠く、飛行機に積める燃料の量には限界があるので直行便はありません。そうすると、どうしてもアメリカかカナダあたりに一度立ち寄る必要があります。しかし、今回の場合は関空から一度東京の羽田空港にも寄ります。関空からアメリカなどに行く便もあると思うのですが、ちょうどいい便がなかったのだと思います。これが一番安いのですから仕方がありません。しかし、羽田で9時間ほど時間があるので、ちょっと東京見物に行くか、それが嫌なら、もっと遅くに羽田に行く別の便を探せばいいと思います。

第3位 南アフリカ共和国     ¥129,620円

 関空 23日19:10発 → 香港 23日22:40着
 香港 23日23:50発 → ヨハネスブルグ 24日07:20着
 ヨハネスブルグ 24日10:10発 → イーストロンドン24日11:40着

 ヨハネスブルグもイーストロンドンも南アフリカ共和国の空港です。検索の条件で「複数の国際空港がある場合、一番上に表示される空港を選ぶ」となっているからこんなことになっているのかと思っていたんですが、念のために調べてみると南アフリカ共和国には首都が3つもあることがわかりました。
 これを複都制というそうで、ケープタウンに立法府、プレトリアに行政府、ブルームフォンテーンに司法府が置かれています。ただ、いろんな国の大使館はプレトリアにあるので、実質的な首都はプレトリアだと言えるようです。その関係で同じ国内の空港を移動することになったのかと思ったんですが、今回の検索で最終到着地になっているイーストロンドンは、どの首都からも遠く離れている都市でした。なぜここが空路検索で選ばれたのかは最後までわかりませんでした。

第4位 ケニア共和国      ¥110,900円

 関空 23日23:20発 → トルコ イスタンブール24日05:40着
 トルコ イスタンブール 23日19:05発 → ケニア ナイロビ26日08:45着

 関空からトルコまで乗る飛行機はトルコ航空TK-47便なんですが、トルコに明け方ごろに到着するので大変そうです。しかし、この後ヨーロッパ方面に行くときに何度も登場してお世話になる便です。ちょっと覚えておいてください。
 このプランでは途中イスタンブールで17時間ほど過ごすので、少しイスタンブールの観光も楽しめるプランだなぁと思いました。世界三大料理のひとつがトルコ料理ですからそういう面でも楽しめそうです。しかし、よく見ると2晩連続で飛行機の中で過ごすことになるので体力的にはきつそうですね。さらに、野生の動物を見物するツアーに申し込んだりすると、テントで寝泊まりすることもあるかもしれません。体力に自信がある若者向けのプランなのかもしれません。

第5位 トルコ共和国      ¥110,260円

 関空 23日17:55発 → 韓国 仁川 23日19:55着
 韓国 仁川 24日14:25発 → トルコ イスタンブール 24日19:15着

 とても不思議な現象がここで起きています。
 目的地はトルコなんだから、例のTK-47便に乗ったらええやん。なんでわざわざ韓国経由で行く? 検索システムの気まぐれか? それとも単に写し間違い? でも、プリントアウトした紙を確認したらやっぱりこの通りであっています。
 さらに、トルコ経由でケニアに向かうプランと640円しかちがいません。JRで大阪駅から天王寺駅まで行くのに640円もかかりませんが、トルコ-ケニア間の距離はもっともっと長いけど運賃はこんなにも安いのか? もうわけがわかりません。
 人気のない路線を利用するからこういう結果が出てくるのかもしれません。将来海外旅行に行くときは、いろいろと条件を変えて探して格安で行けるプランを見つけることができたら、めっちゃ得するかもしれないということです。

第6位 ニュージーランド    ¥110,040円

 関空 23日11:50発 → 韓国 仁川 23日13:55着
 韓国 仁川 23日17:00発 → ニュージーランド オークランド 24日8:10着

 このプランでも一度韓国に移動しています。世界には4000mクラスの滑走路を3本以上もつ空港がいくつかあって、その周辺地域の中心的役割を果たしています。これをハブ空港と呼ぶんですが、韓国政府が力を入れてきたこともあって仁川空港はアジアのハブ空港のひとつになっています。その関係でこういうプランが複数出てきているのだと思います。
 ニュージーランドは、国際博覧会に参加しない方針なんですが、2005年の愛知万博では日本との以降の関係を重視するために参加して、当時の首相も来日しています。地理的な要因などもあって、ニュージーランドでは水不足が大きな問題になってきており、日本が持っている海水を真水に変える技術で解決しようと考えているのかもしれません。

 次の第7位ですが、なんと4つのプランがぴったりと同じ金額になりました。しかもすべて例のTK-47便を利用します。そのために同額になったのかもしれませんが、乗り換えた後の飛行距離には当然差があるのでちょっと不思議な気がします。

第7位 ギリシャ共和国     ¥85,400円

 関空 23日23:20発 → トルコ イスタンブール 24日05:40着
 トルコ イスタンブール 24日07:40発 →  24日09:05着

 到着時間を見るといい感じに見えますが、これは現地時間なので、実際に飛行機に乗っている時間のことを考えるとどうなんでしょうか。純粋に観光できる時間がどれくらい確保されるかということだけを考えれば、7位の他のプランよりもよさそうです。
 ギリシャは古代遺跡がいっぱい残されているうえに、エーゲ海の景色がとても美しいというイメージがある国です。調べてみると毎年大きな貿易赤字を抱えていますが、観光関連での収入でかなり補うことができていました。
 オリーブなどの農産物の輸出も盛んですが穀物の生産量はとても少なく、日本と同じように食糧を自給することができていません。
 紀元前からギリシャは哲学や文化、芸術に様々な影響を与えてきました。その影響力の大きさから、ギリシャは「ヨーロッパ文化のゆりかご」と称されることもあります。

第7位 ノルウェー王国      ¥85,400円

 関空 23日23:20発 → トルコ イスタンブール 24日05:40着
 トルコ イスタンブール 24日08:20発 → ノルウェー オスロ 24日11:20着

 先日、スコットランドで金属探知機を使って財宝探しをしていた人が、バイキングの宝物を見つけたという話題がありました。ノルウェーには昔バイキングの人々がたくさん住んでいたこともあって、もしかしたらまだ地中に埋まっている宝があるかもしれません。金属探知機を持って行くには少し勇気が必要な金額ですが。
 地理的にはフィヨルドが有名で、複雑な海岸線を生かした漁業などが盛んです。日本へはサバがよく輸入されています。日本産のサバとちがって、ノルウェー産のサバは背中のシマシマ模様がくっきりしているので、慣れるとすぐに見分けることができるようになります。

第7位 ポーランド共和国     ¥85,400円

 関空 23日23:20発 → トルコ イスタンブール 24日05:40着
 トルコ イスタンブール 24日12:25発 → ポーランド ワルシャワ 24日13:55着

 ポーランドは、東西の文化の交流が盛んだったところで、第二次世界大戦でドイツに侵略されたことが印象に残っている人が多いと思いますが、ドイツ以外にも何度も隣国に侵略されて国土が分割、支配された歴史を持つ国です。現在では、1993年以降景気後退のないヨーロッパ唯一の国として堅実な経済を誇ります。
 ウォッカはロシアが有名ですが、ヨーロッパではポーランドで製造されていたようです。ただし、ポーランドでは消毒薬として認識されていたため飲むようになったのは少し遅かったようです。また世界一ビールが安い国ですが、アルコールの消費量は多くありません。また、ポーランドでは7500年前の世界最古のチーズ製造跡が見つかっています。
 ポーランド人は「ゆでたまご」を非常に好む習慣がある「ゆでたまご民族」で、ゆで卵は丸のままスープに入っていることも多く、また、半分に切って上にニシンのマリネとタルタルソースとハーブを載せた「ゆでたまご寿司」のような料理は、必ずと言ってよいほど宴会で出てきます。ゆでたまごで自家製タルタルソースを作ることも多いです。

第7位 モロッコ王国       ¥85,400円

 関空 23日23:20発 → トルコ イスタンブール 24日05:40着
 トルコ イスタンブール 24日10:00発 → モロッコ カサブランカ 24日13:00着

 モロッコと言えば、タコのイメージが強いです。スーパーでよくモロッコ産のタコを見かけるからです。調べてみると、モロッコから日本へ輸出されるもののうち61%がタコでした。第2位は紋甲イカで7%。アフリカ大陸でも北西の端にあって海に面している範囲が広いから、自然とそうなってしまうのでしょう。
 モロッコは地理的、歴史的にさまざまな文化との交流があったようで、そのためにモロッコ料理は土着のベルベル料理、アラブ・アンダルシア料理、地中海料理がもとになっていて、さらにいくつかの食文化の影響を受けています。

第11位 ベトナム社会主義共和国   ¥40,840円

 関空 23日17:30発 → 台湾 台北 23日19:45着
 台湾 台北 24日09:30発 → ベトナム ハノイ 24日11:35着

 一度台湾に行って、そこで一泊してからベトナムへ行くプランです。台湾に中途半端な時間しか滞在しないので、別の日にもっと楽なプランが見つかるのではないかと思いました。それにしてもネパールに行くプランと比べるとすごく安いプランだなぁと感じます。
 ベトナムは世界第2位のコーヒー生産国ですが、そのコーヒーの淹れ方は独特で、時間をかけて濃いコーヒーを作り、そこにコンデンスミルクを入れて飲むそうです。
 食文化は古くから関係のあった中国と、19世紀から統治してきたフランスの影響を受けていますが、全体的にあまりクセがなくマイルドな味付けが特徴なので、日本人にも食べやすいものが多いです。

あとがき

 料金ひとつとってもいろんな不思議があるし、メキシコ行きのプランを見てみると、23日の18:50に羽田を出発して、同じ日の16:45にカナダに着きます。時差の関係でこんなことになるって授業で学習しても、やっぱり不思議です。
 どこにあるのか知らない国もあるし、世界はほんと広いですね。