夏休み と 経験 と 成長

どんな夏休みを過ごしましたか?

 中学校に入って最初の夏休みが終わりました。昨日の学年通信でもどんな過ごし方をしたのかについて触れていましたが、僕もここでその点について話をしたいと思います。
 部活動に一生懸命取り組んだとか、いつもより早くから宿題に取り組んで余裕で宿題を終えたとか、今まで1学期の復習なんてしたことなかったけどていねいに復習に取り組めたとか、小学生のときの夏休みよりも生活のリズムがだらけなかったなど、みんな小学生の夏休みと違って良い過ごし方ができていたらいいなぁと思っています。中学生になったんだからという自覚とか、がんばらなきゃっていう気合いみたいなものが影響したかもしれません。
 それに対して、今までと同じか、逆に、もっと悪くなってしまった人がいたら、それは大きな問題かもしれないと思っています。夏休みの過ごし方に先生たちがこだわるのはなぜか、理由を説明しますね。

経験が人を成長させる

 人は成長していくとき、周囲の環境に大きな影響を受けます。「環境」とは「経験」の場ですから、よい環境であればよい経験をして人はよい成長をしやすいのだと 考えられているのです。
 今年の夏の高校野球で、僕はそのことを強く感じました。高校野球ではどうしても経済的にも、施設面でも公立高校はすごく不利です。さらに受験資格の関係で人材面でも難しい面があります。だから、そんな公立の高校が地区予選を勝ち抜いて甲子園に行くことだけでも実はすごいことです。ところが、開幕試合や延長再試合といった経験を重ねて、そんな公立高校の野球部員たちがめきめき成長し、優勝候補と言われたチームを破ってついに優勝してしまいましたね。
 甲子園という「環境」とか、試合での「経験」が人を成長させたのだと思います。夏休みを有意義に過ごせたかどうかは、夏休みの環境がどうだったかということであり、よい経験をたくさん積むことができたかってことでもあるんです。先生たちが夏休みの過ごし方こだわる理由です。

大人と子どもの違い

 よい経験をできるだけたくさんして、よい成長ができるように、よい環境を作ろう という考え方があります。動物園や水族館などに連れて行って生き物を見せたり、遊園地や公園で遊ばせたりすることは、子どもにいろんな経験をさせようとする目的につながっているのです。
 大人と子どもの違いっていろいろありますが、その環境を作る立場か、環境を作ってもらう立場かっていう点もそのひとつだと思います。みんなも中学生になって、ほんのちょっぴりかもしれないけれど大人に近づいたのだから、夏休みの過ごし方をどうするかくらい自分で考え、実行して欲しいと思います。
 先生たちは夏休みの前にいろいろ注意点などを言いましたが、最終的にはあなたたち自身に任せている部分があります。自分の周囲の環境を作っていく経験も大切だと思うからです。

 自分の周囲の環境を作るっていっても、そんなのむずかし過ぎる。そう考える人はきっといるでしょうね。でもそうとは限らないんですよ。
 とてもつらく苦しい環境にいるとき、誰かがそばにいてくれたら、苦しんでいる人の気持ちはずいぶんと変わるでしょう? あなたたち自身が心配して寄り添うことで誰かの環境の一部になることもあるということです。人は人と深くつながって生きていくから、ちょっとした行動や言葉によって大きな影響をあたえることになるんですね。
 周囲の誰かのためにそっと寄り添うようなやさしい行動を続けていると周囲もやさしさで返してくれるようになります。つまり自分の行動や言葉によって影響を受けた周囲の人たちが、自分にとってのあたらしい環境になるのです。昔の人が「情けは人のためならず」という言葉を残しているのはそういうことをわかっていたんですね。
 自分にとってよい環境を作るには、自分自身のために、また周囲の誰かのために、まずがんばってみること。とにかくやってみること。待つのではなく、行動すること。それがいろんな経験を積むことにもなるし、よい環境を作っていくことにもなります。少しずつでもいいので意識してみましょう。