思い込みは怖いぞ~

ナルト疾風伝のエンディング

 もう何週間も前の話です。たしか、その時僕は家のパソコンで何か作業をやっていたんだと思います。僕の子ども達はテレビでアニメを見ていました。そのうちアニメのエンディング曲が流れてきました。パソコンに向かって、なんとなく僕はその曲を聞いているような、聞いていないような状態でした。
 そのうち「自転車、自転車、自転車」と連呼する歌詞が聞こえてきました。その時は特に気にもしなかったんですが、そのうち連呼することばが「トイレ、トイレ、トイレ」に変わりました。僕の頭の中にトイレを我慢しながら一生懸命自転車をこいでトイレを目指している少年のイメージがうっすらと浮かんできました。同時に心の中で「これはいくらなんでもおかしいぞ?」と感じる部分もありましたが、続いて「今すぐ、今すぐ、今すぐ」と聞こえてきて、僕の頭の中のトイレを我慢しながら一生懸命自転車をこいでいる少年のイメージは、とてもはっきりとしたものになりました。その代わりに「おかしいぞ?」と感じていたか細い「常識」は一瞬で吹き飛んでしまいました。
 そのことを僕の子ども達に言ったら、思いっきり笑われてしまいました。僕が「トイレ」と聞こえていた部分は、本当は「こいで」だったのです。その日以降、ナルト疾風伝のエンディングでこの曲が流れるたびに、我が家の子ども達は僕の方をちらりとみながらニヤニヤします。

思い込みは怖い

 ちょっとした聞き違いと思い込みによって、僕の恥は大きく膨らんでしまいました。思い込みってとっても怖いですねぇ。
 サッカーのワールドカップでも、事前の予想では決勝トーナメントに進出することはおろか、日本は一勝もできないんじゃないかって言われたりもしましたし、「岡田監督はさっさと辞めちまえ!」なんていう声もすごく多かったです。ワールドカップ前の練習試合などでの結果を見て、これではだめだと『思い込んで』しまった人たちがたくさんいたということです。
 しかし、日本の結果は惜しくも決勝トーナメントでの勝利はできませんでしたが、決勝トーナメントに進出することはできました。とたんに岡田監督に対する評価は変わり、大阪府や大阪市から表彰までされ、インターネット上では「岡田監督ごめんなさい」の大合唱。この手のひらを返したような対応もどうかと思いますが、思い込みによる判断の誤りについては本当に怖いものだと思いました。

懇談で

 昨日までの懇談で、同じように思い込みをしている人がたくさんいたことがわかってきました。といっても、そのパターンは2種類あります。
 ひとつは、期末テストにむけて勉強を頑張ったのにテストの結果は下がってしまったと思い込んでいたパターンです。中間テストに比べて学年平均点が下がっている教科が多いので、得点の合計だけを見れば中間テストよりも下がっている人が多いのは当然です。なのに、点数が下がったことだけを気にして、自分の努力は無駄だったなどと考え、もしかしたらやる気を失って、本当に成績が下がることにつながったかもしれません。怖いですよね。
 懇談できちんとそういった点数の見方を教えたら、急に明るい笑顔になった人がいました。正しいものの見方のほんの一部を覚えてもらって、懇談はこういう点でも大切なんだなぁと思いました。
 もうひとつは、自分は勉強を頑張ったと思い込んでいたパターンです。ところが、その内容を聞いてみると、1教科30分ずつやっただけとか、教科書を1回読んだだけなど、僕にはとても勉強をしっかり頑張ったとは思えないものがいくつかありました。
 自分の考えている範囲内だけで判断して基準をつくるとこのような失敗につながるのかもしれません。さらに、テスト勉強はなるべく楽にすませたいという心理が無意識に働きやすいし、自分は勉強をやったんだと思い込むことでしんどいことから逃避できたりするから、よけいに注意が必要です。そのことにずっと気がつかないでいたら…。本当に怖いですよね。