文化祭 劇の脚本・演出講習会 資料 その2
3.音響
MとSE
『音響』を分類するとミュージックとサウンド エフェクトの二つに分かれます。どちらにしても、役者の声の大きさと音響との音量のバランスが大切なので、当日音響係の人は微妙な音量調節が必要です。
①M(ミュージック)
BGMとも言いますが、雰囲気に合わせた曲を流すことです。歌詞のないものを利用することが多いです。クラシック音楽、映画やアニメなどのサウンドトラック、などを探せば結構使える音楽が見つかります。
②SE(サウンド エフェクト)
効果音とも言いますが、ドアを開ける音、車の急ブレーキの音、などのように曲ではない音のことです。効果音の収録されたCDを利用する事が多いと思いますが、録音時間がうまく合わなかったり、イメージした音がなかったりすることもあるので、利用する可能性があるなら早めに聞いておく方がいいと思います。
また、役者の演技と音のタイミングをそろえるのが難しいこともあるので、あまり多用しないでやりやすいものだけを選ぶとか、どうしても必要な場面にだけ使うなど、使う場面を絞った方がいいかもしれません。
音響用CDだけでは欲しい音がない場合、棒や板、道具等を使って音を作ることも考えましょう。この方法の利点は、タイミングを合わせて舞台の横で音を出すことができることです。
音響の基本テクニック
①FI(フェードイン)とFO(フェードアウト)
小さな音量から徐々に音量を上げていくのがFI(フェードイン)。逆に予定の音量から徐々に音量を下げていくのがFO(フェードアウト)。ゆるやかな場面変化や時間の流れなどを表現するのに最適なテクニックです。
②CI(カットイン)とCO(カットアウト)
予定の音量でいきなり音を出すのがCI(カットイン)。急に音をストップするのがCO(カットアウト)。急な場面変化や状況を盛り上げる時などに最適なテクニックです。
③ブリッジ
場面転換の時に次の場面の雰囲気にあった曲を流しておくテクニックです。暗転させている間に大道具などを動かす場合、音楽を流しておくことでその音を隠せるし、待っている観客の興味も途切れにくくなるので、これはどのクラスも必ず使って欲しいテクニックです。
音響係がその辺りのことをきちんと理解していなかったために、自分が好きなアーティストの曲を流すだけになってしまい、雰囲気が壊れてしまったこともあります。どんな曲を選ぶのか、センスがとっても必要なところです。どんなイメージの曲を流すべきかも脚本に書いておくと安心でしょう。
音響のアイデア
・ 主人公たちが廃墟の中を進む場面で、急にドアが閉まる大きな音を出したい。でも、体育館のスピーカーからの音では迫力がない。そこで、舞台そでにある外につながるドアを勢いよく閉めて、その音を直接体育館内に響かせたクラスがありました。どこから聞こえるのかわからない雰囲気が出て、とても効果的でした。ただし、ドアを開けると外の光が入ってくるので暗幕を使って遮光し、次の出番を待っているクラスに協力してもらって音が邪魔にならないように静かにしてもらっていました。
・ BGMとして使いやすいのは、アニメのBGM集や映画音楽です。レンタル店で探すといろいろあります。
・ ある程度長い曲の場合、途中で曲の雰囲気が変わることがよくあるので、使えそうな曲を探すときは、曲の全体を聞く必要があります。使いたい部分だけを利用するときは、学校のパソコンを使うよりもMDかカセットテープを使うほうが作業しやすいこともよくあるみたいです。
ちなみに、パソコン室のパソコンはCD等に出力することができません。著作権を保護するためにそういう設定になっています。
・ 舞台横においてあるピアノを弾いて、BGMとして活用するのもOKです。舞台が暗いシーンだと舞台そでの照明が使えないので、楽譜や鍵盤が見えるように懐中電灯などが必要になります。
・ 舞台で火薬や火を使うことは禁止なので、2枚の平たい棒をぶつけてピストルの音を表現したクラスがありました。10種類以上の棒を用意して音を聞き比べたり、棒のぶつけ方をいろいろ試したりしていました。
・ プロも音響ではいろんな工夫をしています。FMラジオのチューニングをずらしたサーという音は大きな滝の音として使います。木と金属のボルトを組あわせたもので鳥の声を作ります。卵のパックを足で踏んだ音は、関節がはずれたとか骨折したときの音として使います。
4.照明
光の3原色
光の3原色は赤、緑、青です。絵の具と違って色を混ぜるほど明るくなります。そのため、混色のパターンも違ってきます。ですから、複数の違った色の光を舞台にあてると、イメージ通りにならない場合もあります。光の混色の一部を紹介すると
赤+緑=黄 黄+青=白 黄+赤=橙 となります。
ただし、それぞれの光の強さが影響してこまかく変化することもあるので、あくまでも参考ということで考えておいてください。
照明を活かす白
光をよく反射するものは白です。ですから、照明を変化させて舞台全体の雰囲気を変えたいときには背景(ホリゾント)や大道具などに。登場人物の気持ちの変化を表したいときには登場人物の衣装に、白か白に近い明るい色をうまく取り入れて使うように考えましょう。
プロの劇では、主人公の衣装は白を、悪役の衣装は黒を用いていることが多いです。そして主人公の心の動きや変化を表すために、照明を活かしているのです。
照明機器
◇◇中で使用できる照明機器は次の通りです。
①スポットライト
体育館2階に設置してある左右のスポットライトと正面に配置されたピンスポットライトがあります。色のついた光を利用する時は、色の種類や位置を係の人たちで確認するように連絡しておいてください。
「絞り」を使えば徐々に明るさを変化させることもできます。
中央にあるピンスポットライトは特に気にする必要はありませんが、左右のスポットライトは、舞台の右半分を左のスポットライトが、舞台の左半分を右のスポットライトがそれぞれ担当するように役割分担しないと、舞台横の壁がじゃまになって舞台の隅まで光を届けることができません。
②舞台天井の蛍光灯
客席から見て舞台の右側のそでにスイッチがあります。天井の蛍光灯は前後2列に分かれています。他に、舞台そでの蛍光灯のスイッチもここにありますが、演技中は消しておく必要があるので注意しましょう。
また、このスイッチを操作する人からは舞台が直接見えないので、点灯消灯のタイミングを伝える人が別に必要かもしれません。
③フットライト
舞台と観客席との境目あたりの床に設置してあります。赤青無色の3色です。(電球なので無色でも少しオレンジっぽい色になります)
スポットライト、舞台天井の蛍光灯に追加してフットライトを3色全部点灯させると舞台全体を明るくすることができます。
また、3色をそれぞれ単独で点灯させることができるので、スポットライトと連携して夕方から夜へ、または夜から朝へというような時間の変化を表現することもできます。
照明の特殊効果
水の入った容器に鏡を沈め、その鏡にプロジェクタ等の光を反射させ、壁などに投影すると、特殊効果ができるとプロの方から聞いたことがあります。
例えば水に青い色をつけて水面を揺らせば水中。鏡を割れたカケラにすれば流れる雲。水に赤い色をつけて水面を揺らせば炎。割れた鏡を使って夕焼け空といった具合です。また、役者の後ろから客席に向けてプロジェクタの強い光をあててシルエットのようにして浮かびあがらせるというテクニックもプロではよく使います。
ただし、これらは他の照明との明るさのバランスなど難しい面もあって、中学校の体育館の舞台で本当にうまくできるのかわからないので、必ず体育館での練習割り当ての時に実験して確かめてください。