本当の『考える力』を 身につけて欲しい
期末テストを終えて
先週の金曜日に期末テストが終わりました。早速今日からテストが帰ってきて、努力の結果が点数につながってよろこんだりホッとしたり、ミスをしてしまい悔しがったり落ち込んだりと、それこそいろいろとあったのではないでしょうか。
点数が成績に直接つながるんですから、帰ってきたテストの点数を見て一喜一憂してしまうのも無理はないと思います。しかし、点数だけにこだわっているようなら、ちょっと待ってと僕は言いたいです。テストを返してもらって、点数を見たらあとはあんまり気にしないというような人は、特に注意をして欲しい。今回はそんな話をしたいと思います。
間違いの例 その1
週に一時間しか授業がないので、僕は土日の間に採点をしました。今回の技術・家庭科のテストに、生まれたばかりの赤ちゃんの身長と体重についての問題がありました。そこでの間違いの例に、次のようなものがあります。
問い 生まれたばかりの赤ちゃんの体重は? 答え 3000 ㎏
単位の『㎏』は最初から解答らんに記入してあったので、これは完全な確認ミスです。生まれたときの体重がなんと3t?! どんな赤ちゃんや! 僕は授業で恐竜の赤ちゃんについて教えた覚えはないぞ。もしかしたら、恐竜でも生まれたばかりの赤ちゃんは、3トンもないかもしれない。 きちんと問題を読んで、さらにきちんと見直しをすれば、防げたミスです。
テストを返してもらったときに、自分はどういう種類の間違いをしたのかを分析することで、次に活かす。それが、本当の反省です。きちんと反省をしなければ、同じ間違いやミスを繰り返すだけで、進歩がありません。注意してください。
間違いの例 その2
問い 生まれたばかりの赤ちゃんの体重と身長は?
答え 体重は約 3 ㎏ 身長は約 10 cm
体重は正解ですが、身長が・・・ ここで考えて欲しいのは『常識』です。親に抱っこされた赤ちゃんを見たことが一度ぐらいはあるでしょう? 身長10cm? おもちゃの人形じゃあるまいし、常識的に考えてもおかしいと気がつかなければならないところです。
また、こんな例もあります。
問い 妊娠期間は通常何週間ですか
答え 1週間
妊娠したら次の週には赤ちゃんが生まれているわけです。これが本当なら、日本の少子化対策はもう必要なし!? ここでも、常識的に考えておかしいと気がつかなければなりません。
これらの例は、答えはわからないけれども、とにかくそこに数字を書かなくちゃいけない。何か書けば当たるかも知れない。というようなことを考えて、いい加減な数字を書いた結果なのでしょう。でも、こんな常識から遠く離れた答えを書いては、何の意味もありません。本当の考える力が身についていないと、こうなってしまうんですね。いくら高い点数を取っていても、間違えたところがこんな間違え方をしていたとしたら、本当の考える力がないと言えるかもしれません。
自分が持っている知識や過去の体験といったものを、これから解こうという問題やこれから取り組もうという課題に活かすことができない。みんなには、そんな人間になって欲しくはありません。また、当たったらもうけものみたいなテストの答え方につながるような勉強もして欲しくはありません。
本当の『考える力』は、『生きる力』でもあります。今回のテストをもう一度チェックして、自分はどうなのかを確かめておきましょう。