クラスの仲間づくりを 始めようよ

精神的な距離を縮めよう

 以前出した学級通信で、誰がどんな部活に入部したかを掲載しました。へぇ、あの部活にこの人が・・・ 小学校にいたころのイメージと違う・・・ なんて新たな一面を発見できたところもあると思います。そういうことを何回か積み重ねていくうちに、友だちに対する理解がすすんで、いつの間にか友だちが増え、クラスがまとまっていくものです。
 集団が発達していく段階を理論的にまとめてみると、まず座席が近いなど話すきっかけのある人や以前から知っていた人と、とりあえず小さなグループをつくります。初めて同じクラスになった人とは、まだ顔や名前がわからないために、どうしても精神的な距離が遠いので、そういう状態になるんです。
 次に共通の話題などで自分に合う人たちと新たなグループ作るために、グループの再編成が起こります。特定のグループに入らないで広く友達としてつきあいたいと考える人も出てきます。この段階では、まだまとまりのあるクラスではありません。何もしなければこの段階のままで1年間過ぎてしまうこともあります。
 まとまりのあるクラスになるには、次の段階に進む努力をしなければなりません。そのためには自分との共通点を知って何だか身近に感じるようになったり、意外な一面を見てその人のことを見直したりする機会ができるだけたくさん必要です。そうするとグループの垣根を越えて話ができる人が増え、精神的な距離が縮んでいくことになるからです。その段階までいくと、グループとグループの間に交流が生まれ、グループが成長して大きくなっていきます。特定のグループに所属しないような人も巻き込んで、やがて、クラス全体のまとまりへとつながっていきます。
 〇組はこれからそういう段階に進んでいくところだと思います。ということで、まずは精神的な距離を縮めるために小さなことでもいいので、いろんな人のことを知りましょう。

宿泊学習は大チャンス

 いろんな人のことを知る大チャンスが、来週の宿泊学習です。2日間、学校を離れて一緒に生活すれば、同じクラスの人たちのことをいっぱい知ることができます。学校では見ることのできない一面を見つけられるのです。また、同時に自分のことを知ってもらう努力も必要です。積極的にいろんな人に声をかけましょう。いろんな人と話をしましょう。それがクラスの仲間作りにつながるんです。
 でも、宿泊学習の2日間だけが、いろんな人のことを知るチャンスなのではありません。その事前の取り組みの中でも、わかってくることがあります。例えば何かを決める話し合いの中で、『この人はクラス全体のことを考えているなぁ』とか『わがままやなぁ』とか『やさしいなぁ』などとわかってきます。係の仕事の準備をしていても、『すごいしっかりしていて頼りがいがある人やなぁ』とか『いろんなことを知ってるなぁ』とか『まじめやなぁ』などとわかってきます。
 周囲からどう見られているか。そういった視点もぜひ大切にしてください。

観察と傾聴

 周囲の人のことを理解する上で大切なものとして「観察」と「傾聴」があると、昔、学んだことがあります。その人のことをよく見て、その人の言うことに耳を傾けることが大切だということです。それは、その人に興味を持つことにつながり、新しい人間関係を作る第一歩になるのです。
 それ以来、いろんな場面でそのことを心がけています。たぶん、そのおかげで人よりも多く何かを学んでいると思うし、毎日の生活を楽しむことができていると思っています。
 例えばこの中学校に来て1ヵ月の間に見つけたもの。〇組の教室の教卓脇にある机の裏にある紙。(なんだろう?) 廊下の傘立ての下に放置されたままになっている雑巾。(誰も気がつかないのかな) 体育館の天井にはさまっている上靴。(きっとびっくりしただろうな) 2年生校舎の外壁の2階部分にある、薄れつつある相合傘の落書。(いまどき相合傘?しかもどうやって書いたんだろう?) 黒板の下というか裏というか、そこにも落書。(なんのため?) それぞれ誰がやったのかなどわからないけど、よく観察しているといろいろ発見して、なんか楽しいです。
 人間って、人間とのつながりの中にいると安心できるし、楽しむこともできます。よく見て、よく聞いて、その人の新しい何かを知ることを楽しみ、それをきっかけにして誰かと気持ちがつながることを喜ぶ。そんな状態が、クラス全体に広がっていったら、すばらしいですよね。だから、みんな、クラスの仲間作りを始めようよ。