子どもから大人へ

身体の成長

 「君たちは、今、子どもから大人へ、少しずつ、しかし、確実に成長しているんだよ」
 突然、こんなことを言われたら、どう思いますか? 「そんなこと当たり前やん」とか「そうかなぁ」など、いろいろな返事があると思いますが、君たちは本当に成長しています。
 このクラスのみんなが入学してすぐ測定した身長・体重と先日測定した身長・体重をもとに、この1年間でどれだけ成長したのかを調べてみました。その結果、平均で女子は身長が3.1cm、体重が3.0kg、男子は身長が7.9cm、体重が6.2kg増加していました。中には1年間で身長が10cm以上伸びた人が5人、体重が7kg以上増えた人が8人もいます。
 男女で平均値に差が出るのは、思春期の頃にグーンと成長する時期が女子の方が早く始まるのに対して、男子の方が遅くスタートするからです。ちょうど今ぐらいのころになると女子は成長期が終わりかけているのに、男子はまだまだ成長するのでその差が出ているのです。
 身長や体重の増加に伴い、身体の内部でも成長が始まっています。第二次性徴っていうんですが、詳しいことは保健体育の時間にすでにしたか これから勉強すると思いますので、ここでは触れないことにします。

心の成長

 子どもから大人へ成長しているのは身体だけではありません。「心」も成長しています。価値判断の基準が子どもから大人へ、単純なものからより複雑なものへ、変化しているのです。
 親に甘えるような行動をしていたのに、次の場面では大人のような振る舞いをする。そんな自分に戸惑ったことはありませんか? その時その時で子どもの面が出たり、大人の面が出たりするのは、君たちがちょうど子どもと大人の境目にいるからです。
 また、何でもないことなのに、親から何か言われたことにムカッとして、心ないことを言ってしまうってことありませんでしたか? これは、自分のことを大人として扱ってほしいという気持ちが芽生えてきたから起きることです。本気で怒っているわけではない証拠に、そのあと「またやっちゃった」と反省して親にちょっぴり甘えた態度を見せたりします。
 そして、この振り返って自分の悪かった点を認めて反省できるということも、大人になってきた証拠だったりします。幼児がショッピングセンターなどで大きな声で泣いているところを見かけることがありますが、幼児がそのことをあとで反省することはありません。まだ自分のことを客観的にみることができないからです。客観的に自分を見つめることができるようになったのは、大人になってきたということなんです。
 ついでに言うと、中学生はショッピングセンターで大声を出して泣くことは、なかなかないですよね? 中学生は、自分がそういう行動をすれば周囲からどう見られるのかを想像できるからです。君たちは、確実に大人へと近づいていることは間違いないですね。
 人間は、この日から大人になるというものではなく、大人と子どもの間を行ったり来たりを繰り返しながら少しずつ大人へと成長していくものなので、戸惑いがあったり失敗をしたりするのは当然です。そういった経験も、大人になるためのトレーニングだと考えることもできそうです。
 ちなみに、身体の成長と同じように心の成長も女子の方が先に始まって大人になります。だから、中学2年生ぐらいだと同じ学年の男子が幼く見えるという女子がよくいます。

大人のイメージ

 ところが、自分自身のことを客観的に見て行動できないとか、自分自身のことを振り返って反省しないなど、せっかく大人へと成長して獲得した能力を活用しない人がいるんです。面倒だとか恥ずかしいと思うことが原因だとしたら、それはもしかしたら「子ども」の部分かもしれません。
 先日、生きることは成長することなんだと説明しましたよね? ぜひ大人へと成長している自分をイメージしてください。それだけでスムーズに成長することができると思います。

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