広く大きな心を持とう

火災のニュース

 一昨日、市内の工場で大きな火災がありました。発泡スチロールを製造する工場だったようで、中学校からも見えるぐらい黒い煙がたくさん出ていたし、おそらく報道関係のものだと思われるヘリコプターが何機も飛んでいたから、6組の中にも気がついた人はいたと思います。
 その日の夜のニュースで、この火災のことを放送されたかどうかはわかりませんが、昨日の朝刊にはちゃんと記事になって掲載されていました。それによると、その火災は昼ごろに発生し、けが人などはなかったものの消火するまでに6時間ほどかかった火災だったことがわかりました。そのため、一番近くにある中学校では放課後の部活動をすべて中止して全員下校させたし、同じく小学校ではその工場の方向へ帰る児童は先生の引率で集団下校したということです。

「よかった」という反応

 すごい煙でしたから、すぐに職員室でも話題になり、情報の収集が始まりました。もしもその火災が校区内で発生していて、しかも生徒の自宅が関係しているとなると学校としても対応を迫られるからです。すると、まもなく校区内の火災ではないことがわかりました。その報告を聞いて僕は「よかった」と思ってしまいました。そして、そう思ったことをあとから後悔しました。
 後悔したのはなぜか。
 火災は現実として起きたんです。そしてそのために困った状態になった人が必ずいるはずなんです。その工場で働いている人たちはもちろんですが、他にその工場の製品を利用しているなど取引をしている会社もきっと困ると思うのです。なのに、自分に関係がない、または、自分の知っている人には関係がなさそうだということで、僕は「よかった」と思ってしまったのです。
 でも、人の不幸を見て「よかった」と思うのは、やっぱり間違っています。だから僕はそう思ったことを後悔したのです。

広く大きな心

 私事で恐縮ですが、僕は自分の子どもたちの名前を考える時、「心」を大切に考えました。具体的に言うと広く大きな「心」を持った人になるようにとの願いを込めています。
 そのうち、自分の名前の由来を聞かれるかもしれません。その時には今のようなことを答えるつもりです。もしも、その時、『広く大きな心ってどういうこと?』と聞かれたら『周囲の人のことを認め、受け入れること。少々のことは笑って許すこと。自分は苦しくても、誰かのために一生懸命頑張れること。できるだけ大きな、そしてはるか先の目標を持つこと』などと説明するつもりでいました。
 でも、もうひとつ『人の痛みを理解すること』もつけ加えようと思います。そして、今回のことを話して聞かせようと思います。
 今回、僕の中に足りなかったのは、『人の痛みを理解すること』じゃないかと考えたんです。自分を含めた身近な人たちのことだけを考えるのではなく、もっとたくさんの人のことを考えればいいのです。それは『広く大きな心』ですよね?

人の心の痛みを理解できるように

 君たちにも、そういった心はぜひ持ってほしいです。
 例えばこれからクラスや部活の中で「いじめ」がおきるかもしれません。その時に「自分じゃなくてよかった」などと人の不幸を見てよかったと安心するのではなく、自分には関係ないからと放っておくのでもなく、いじめられた人の心の痛みに気づいて理解してほしいのです。そうすればその場でいじめを止めるとか、無理なら先生にそっと連絡するなど最善の行動が取れるはずです。
 すぐには、できないかもしれません。確かにむずかしいことだと思います。そんな人は、まず自分の周囲を注意深く観察するようにしましょう。人の表情やしぐさから気持ちを読み取る訓練になります。また、一昨日のクラス役員を決める時、クスクス笑っていた人たちがいましたね? そのことにすごく腹を立てている人たちが何人もいるって知っていますか? そういった周囲の人の気持ちなどを聞いて学び、素直に反省する態度も必要でしょう。あとは人と人とのつながりを、なるべく広く大きく意識するように心がける。そうすれば、いつか広く大きな心を持つ人になれます。

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