自己紹介 と 集団のはたらき

自己紹介で

 入学式、始業式と忙しくて、やっと先週の金曜日に自己紹介ができました。自己紹介といっても、ただ名前やメッセージを言うだけで済まさないのがこのクラスの担任です。5色のチョークを用意しておいたのでその中から好きな色を選んで、黒板にまず名前を書いて(それも漢字、ひらがな、カタカナ、アルファベット等なんでもよい)、それから自分の名前と何かメッセージを言う形式でした。
 誰から始めるのかジャンケンで決めて、いよいよ自己紹介のスタートです。何も書いていない黒板に最初に書くというのは、何も手本とかがないので結構プレッシャーになります。さらに周りの人にどう見られるかということも意識してしまうので、最初の人は無難に始めていくことが多いです。で、どうだったのかというと、やはり白いチョークを選んで、黒板の左の方にほどほどの大きさで、普通に横書きで書いていましたね。
 二人目以降、しばらくは一人目の人が書いた名前の影響を受けて、それに引っ張られることが多いです。で、どうだったのかというと、同じ白いチョークで同じぐらいの文字の大きさで、一人目の人の書いた名前からそんなに離れていないところに横書きで書くということが続きました。だから、黒板の左半分には次々と名前が書き込まれていくのに、右半分はガラ~ンとした状態でした。
 ところが、そんな状態が長く続くと、それではいけないというか、変えなくちゃいけないんじゃないかという心理が発生してきます。「みんな白で書いてるぞ。そろそろ自分の番だから変えようかな。でも、周りから何て思われるかな。」というような感じで心の中で戦いみたいなのがあって、それに打ち勝った人がついに現れたのは10人以上終わってからでした。緑のチョークで書かれたその名前は、そんな複雑に絡まった心理の結果だと思います。
 このあとは、他の色を使う人、ひらがなで書く人、縦に書く人、少し大きく書く人などが出てきました。そして、段々と黒板の右の方にも名前が書き込まれていくようになりました。このあたりになってくると、無難にいくか、それとも変えていくか、それぞれ自分の中での戦いみたいなのがあったと思います。

集団のはたらき

 自分の名前を自由に黒板に書いていくという、たったそれだけのことでもこんなにお互いの影響があるのです。それが『集団のはたらき』と呼ばれるものです。
 また、名前を言ったあとのメッセージも、シンプルに「よろしくお願いします」とだけ言う人もあれば、これからの希望などもあわせて言う人、好きなスポーツや趣味のこと、入りたい部活のことを言う人などなど、いろんなパターンがありました。ここでも、無意識のうちにお互いの影響があったはずです。
 このお互いに影響を与え合う『集団のはたらき』によって人は成長するという考え方があります。そして、その場合、『良い集団のはたらき』があれば、人はより良く成長できるのだと言われています。逆に言えばより良く成長するためには、『良い集団のはたらき』を目指していけばよいと言えそうです。そして、たぶん、『良い集団のはたらき』がいっぱいあるクラスが『良いクラス』なんだと思います。これから1組がどんなクラスになっていくのか、それは1組のみんながどう行動していくかによって大きく変わってきます。どうせなら1組が『良いクラス』になってほしいと僕は思うし、そのためにはクラスのみんなが『集団のはたらき』を常に意識しておく必要があると思います。
 ただし、いきなり『良い集団のはたらき』を求めても難しい面があると思います。クラスの人数が40人近いので、お互いのことを良く知ってからでないと、簡単にひとつにまとまることができないからです。だから、学校ではよく班活動を取り入れます。朝学習、清掃、係活動、終礼での反省などなど、班活動の機会が多いのはそのためです。いきなりクラス全体で、ではなく4~6人ぐらいの班でお互いの人間関係をつくりあげて『集団のはたらき』を育てていくのです。
 だから、ぜひ、班の活動をおろそかにしないで大切に大切にしてください。それが、やがてクラス全体につながっていくと思います。